少し前のネットニュースで見たのですが、 福井県を流れる九頭竜川で、 大きな『アラレガコ』が、獲れた―。 そんなニュースが載っていました。
アラレガコ? 聴いた事無いぞ・・・。
って、思った自分は、 その写真が見たくて、クリックしてみたのです。
で、地元の新聞の記事を改めて見てみると、 昨年の12月に、九頭竜川が流れる福井県永平寺町で、 古くから伝わる、この『アラレガコ』の伝統漁法、 『エバ漁』が、始まって、 なんとその時25a以上もある、 巨大な『アラレガコ』が獲れた― と、報じてあり、写真も添えられていました。
因みにエバ漁は、円錐型のカゴの様な巨大な漁具を、 上流側が丸く、下流側が円錐の先っぽと云う、 山梨の富士川に伝わる、 「モジリ」に、良く似ています。
さて、記事の写真で見た、 その魚は、ずんぐりしていて、 パッと見は、フグみたい・・・。 「何コレ!?」
でも、日本の川にフグはいないし、 なんだろうなって、 「アラレガコ」で検索―。 詳しく調べてみました。
そしたら、結構いっぱい画像も出て来て、 ソレを見たら、あの魚でした。
標準和名は『カマキリ』と、云いますが、 自分が覚えた、その魚の名は『アユカケ』です。 アユカケはカジカ科の魚で、食性は肉食―。
エラの周りに鋭い棘(キョク)があって、 それで魚を突き刺して食べる―。 時に鮎も食べる―。 そんな、割と獰猛なフィッシュイーターと云う事で、 「アユカケ」の、名が付いた―。って、覚えました。
非常に貴重な魚で、天然記念物である―。 と云う事も、知りました。 その教科書は自分の場合、 やっぱり、『釣りキチ三平』に、 登場したお話しでした。
一方、『アラレガコ』の名前の由来はと云うと、 寒くなって、霰(アラレ)の降る日に腹を上にして、 表層を流れるままに下り、 その白い腹に白いアラレがあたる情景から、 『アラレガコ』の、名が生まれた―。 と、そんな風に書かれていました。
ところで、自分が生まれて初めて アユカケの本物を見たのは、釣り具屋さん時代に、 静岡県内のお店に勤務していた時の事、 鮎釣りで有名な某河川で、やはり一緒に鮎釣りに行った際に、 仲間が偶然に掛けたんです。
天然記念物ですので、川の名前は明かしませんが、 15aくらいあったと記憶しています。 余りにもあの漫画で見たのとソックリだったで、 凄く驚いたのをハッキリ覚えています。
その後、一昨年、訪れた富山県の魚津水族館で、 飼育された個体を見たのと、それだけです。
ところで、伝統漁法と云っても、 対象は、天然記念物です。 むやみに獲ってはなりませんが、
『生息調査』と、して、地元の漁協に特別採捕許可が出され、 2015年から捕獲して調査しているそうです。 また、同漁協では、再び地元でアラレガコ漁の復活や、 地元の食文化の継承を目指し、 このエバ漁の保存会を結成しているんだそうです。
いずれにしても、この魚のように、 絶滅の危機に瀕している希少な魚種が少なくありません。
かつては獲って食べるほど豊かな資源であったものが、 獲れなくなる―。居なくなる―。 それは、深く水辺に関わる釣り人にとっても、 非常に大きな問題を突きつけられている気がします。
単に釣るだけではなく、 正しく「釣り文化」を、継承していく責任が、 問われて居るようにも感じました。
あなたは、どう考えますか?
今日は、矢口高雄先生の2回目の月命日です。
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