これまで、リールの小宇宙と題して、 先ずは「草創期」に、 登場して長く愛された国産リールと、 使い易さで、普及が図られたクローズドフェイスリールが、 日本では、予想以上に普及しなかった事を話しました。
続いて、スピニングリールの爆発的な普及が、 メーカーの技術革新を後押しして、 釣りブームの礎になった事なども話しました。
3回目のリールの小宇宙は、 日本では、最も近代になってから浸透した、 フライフィッシングに使われる、 『フライリール』と、それに巻かれる糸(以下、ライン)の、 関係性について、お話ししてみたいと思います。
が、恥ずかしながら、 自分自身は、釣り具店勤務の時も今も、 殆ど嗜んでいない釣りなので、 コアなファンが多い分野です。 もしかしたら、ソレ、違う!!と、 間違いを指摘されてしまうかもしれませんが、 知識を総動員して、お話しさせて戴きますね。
ところで、草創期で話した国産リールは、 元々は、フライリールをモチーフにして作られた物です。
より遠くへ仕掛けを飛ばすにはどうするか―。 と、云う課題を、リールを横倒しにすることで、 軸が回転し易くなり、竿のしなりと遠心力を利用して、 遠投を可能にしました。
一方で、フライリールは、 軽い毛針を遠くに飛ばすにはどうするか―。 と、云う課題に対して、 目的の異なる複数のラインを巻いて、 竿(以下、ロッド)の性能を最大限に生かすために、 リール自体は、こうした複数のラインを、 巻き止めておくための、大きなボビン(糸巻き)として、 使う道具として開発されました。
そして、フライリールが草創期の国産リールと、 大きく異なるのは、フィールドと対象魚によって、 当然ですが、毛針は変わるし、釣り方も変わるので、 ロッドに合わせる形で、 大きさも、様々あると云う事です。
ご存じだとは思いますが、 フライフィッシングのロッドには番手があります。 番手が小さいと、ロッドは細く短くなり、 大きくなるにつれて、太く長くなっていきます。
逆に毛針は、大きいハリの方が数字が小さく、 ハリが小さくなっていけば、数字も小さくなっていきます。
それでは、このフライリールに巻かれる、 目的によって、異なるラインと云うのには、 どんなラインがあるのかを説明していきましょう。
先ず、最も軸に近い場所に巻かれるのが、 フライラインが滑りにくくするために、 『バッキングライン』と云うラインが巻かれます。
続いて、キャストする毛針とロッドの番手に合わせて、 毛針を落としたいポイントに、 正確にキャストする目的として、 吸水性がなくて、毛針を操作しやすい、 ナイロンコーティングなどが施されたラインを巻きます。
これが、いわゆるフライラインで、様々な種類があります。 なぜなら、毛針はエサのイミテーションなので、 浮かせたり、沈ませたり、ちょっとだけ沈んだりと、 釣り人側の意思に合わせて変えていく必要があるからです。
例えば、浮く・沈むで、云えば、 フローティングライン(F)と、シンキングライン(S)。 更に、綺麗なループを描いて、 徐々にラインが伸していける様に、 太さが異なる部分を二つにした、 ダブルテーパードライン(DT)や、
よりピンポイントにキャスト出来るように、 ラインの先に重さを加えたウェイトフォワードライン(WF)。 更には太さが均一で操作性重視のレベルライン(L)。 他にもシューティングライン(ST)などもあります。
更に更に、フライラインの先にも、 毛針を付けるためのラインとして、リーダーが付きます。 日本の釣りで例えると、「ハリス」の部分が、 このリーダーになります。
フライリールの中には、 釣り人の思いや、釣りに対する価値観が巻かれています。 こんな事からも、フライフィッシングが、 紳士の釣りだと、言われているのかもしれませんね。
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