ITビジネスがさらに進展すれば、そのシステム利用した大規模犯罪が起こるだろうとは思っていた。 プログラムの脆弱な点をついて、ネット上の仮想通貨ビットコインが盗まれたという。 最大の取引機関マウントゴックスでは65億111万円相当の被害だそうだ。 現金も取られたと言っているが、これはいかなるからくりかわからない。
ネット上の商取引が拡大してくれば、そこ独自の決済の仕方が成長してくるだろう、とは容易に想像がつく。 楽天だののポイントもこの電子マネーに変わらない。 アマゾンだって、そのほかのネット商売でも、これをやりたいに違いない。
様々な仮想空間でアイテムを売り買いしているのも、その世界だけの仮想通貨である。 とは言え、それらには最初、プリペイドで現実の金で払われる。 通用してくるポイント自身金銭の価値を産む。 最初は利便性から、ついで投機的な目的も生じてくる。
ネット上の数字の入れ替えだから、やる側もさほどの罪悪感を持たぬかもしれない。 ハッカーならやりそうなことだ。
これだけ進展し、さらに想像もつかぬほど進む領域で、便宜上の仮想通貨めいたものが生じるのはやむをえない。 いや、ただこれでぼろもうけしようと言う発想の裏には、犯罪の必然性が潜んでいることを忘れてはいけない。
子ども銀行の紙幣や特定の商店街の商品券は、そこだけのものである。 どこかで売買されるようなものではない。 それを売買しようとするから、悪い奴も出てくる。 等価交換なんてやっていられるか、金がだめならビットコインさとばかりに。
仮想通貨利用のシステム運営側にも、あたまのいい、数学に強い連中が揃っているのだから、完璧なシステムを構築すべきである(可能ならね)。 彼らのありがちな、不完全なものを「独り歩き」させてお人よしが犠牲になることは具合がわるいのではないかと思う。
政府がこの取引も課税の対象にするなどと言い出しているのも、対策としては見当外れだし、この際、割り前にあずかりたいというみっともなさが露呈している。 放置するのとどっちが悪いか?
写真:映画「ノックは無用」のマリリン・モンロー |