山梨の人間が「吉田」と言えば、富士吉田のことだ。
名物は、もちろん「吉田のうどん」。
私がひいきしているのは2〜3軒だ。
パンフレット持って60店以上も歩いたわけではない。
ほんの20軒くらいだけれど、富士吉田の「麺許皆伝」と「花屋」、西桂の「山もとうどん」、あと強いて言えば、櫛形町の「たっちゃんうどん」に絞られてきた。
決め手は、麺そのもの、というか小麦粉のうまさ。
次に、つゆが薄味で、無論うまいこと。
店の雰囲気もある。
観光の人ばかりでもいやだし、なじみ客ばかりでたまに行く人に排他的というのも困る。
中でも一番気に入っているのは「
山もとうどん」である。
親父さんが富士急行の元車掌で、脱サラして10年ほどというのは、つい最近知った。
とすると、県下を回る仕事をしていて、一緒だった誰かの提案で寄ったのは、店ができて間もない頃だったのだろう。
その時、麺とつゆのうまさと、あまりコアではない入りやすさが気に入ったのだ。
特段変わったところもない。
キャベツと馬肉の煮つけと、足してもわかめか卵くらいなもの。
勤めの人や工事の人、地元の年寄りまで幅広い客層である。
女性や子供も少なくない。
対応するパートのおばさんも、そっけなくもないし、うるさくもない。
清潔すぎもせず、不潔でもない。
時々は行っていたのだが、毎週、都留文科大へ行くようになって、頻度は増えた。
たまにはつゆとネギ、油揚げ、わかめ、辛味、麺のセットを買って帰ることもある。
去年、親父が交通事故か何かで、店を休んでいる時には、正直、途方に暮れた。
何ヶ月かして、店が再開して、とてもほっとしたものである。