新聞、雑誌等に書いたもの、どっかでしゃべったこと、書き下ろし……の置き場です。 主に文学・歴史関係が多くなるはずですが、何にでも好奇心旺盛なので、どこまで脱線するか?!。 モノによっては長いのもありますが、興味のあるところから御覧下さい。
 
2011/03/24 11:36:52|樋口一葉
一葉を考えるためのフレーズ(21) 龍泉寺の家
一葉を読んでみて、彼女の短い生涯、その心の有り様を見るとき、どうあっても見過ごしてはいけない、と私が考えるフレーズを抜き出してみました。

 此(この)家は下谷よりよし原がよひの只(ただ)一筋(ひとすじ)道にて、夕がたよりとどろく車の音、飛ちがふ灯火の光り、たとへんに詞(ことば)なし……家は長屋だてなれば、壁一重(ひとえ)には人力ひくをとこども住むめり「塵之中」二十六年七月二十日

写真は龍泉寺の茶屋町通りジオラマ(台東区一葉記念館蔵)
通りの奥が、お歯黒どぶに囲まれた新吉原遊郭。
路地の手前三分の一あたり、人力車がぽつんとある(分からないかな)長屋の半分が一葉、母、妹邦子の女所帯。







2011/03/22 17:09:56|その他
大企業の無駄遣いを先ず止めよ!!
 夜出発する夜間飛行というのは、あまり好きではない。
損をした気がする。
ある時、やむを得ず取った飛行機が、夜も宵のうちの出発だった。
その時に窓から下界を見下ろして、たまげたのである。
先ず、東京23区、湾岸に到るまでハレーションを起こしそうなくらい照明がまぶしいのである。
さらに高度を上げると、東京湾から横浜、三浦半島とまばゆい照明は海岸線をくっきり、地図どおりに縁取っていた。
我らが地元の内陸側は殆ど星雲か闇空に沈んでいるのだが、中京地帯から、阪神地帯に至るまで、太平洋側の光の縁取りはとぎれることなく続いたのである。
私は、何と豪勢なことか、と半ば呆れ、半ば感心した。

 夜、外国の空港に降り立ったこともあって、それがアジアの近隣諸国だったりすると、たいてい国際空港の周囲でも闇に沈んでいる。
ハノイがそうだったし、マレーシアもそうだったように思う。
そして、乏しく青白い誘導灯の整列している滑走路が現れ、いきなり着陸となる。
これは旅情満点だが、夜の到着ということもあいまって、いささか心細くもなる。

 けれども、あの東京上空から太平洋ベルト地帯の黄金の縁取りは、いくらなんでもやりすぎだろうと思う。
あのような電力消費のために、この狭い、地震の多い国土の海浜、山陰に55基(福島第一を含む)もの原発をこしらえているのならば、とんでもないはなしだろう。
火力発電も37パーセントしか活かしていないという。
電力需要が供給を超えそうだというのは、果たして本当なのだろうか、脅かしではないのかと思えてくる。
疑いだすと、「計画停電」も、原発一か所がダメージ食らうと、これだけ日常生活に響きますよ、原発はなくてならぬものですよというデモンストレーションのような気さえしてくる。
一斉に火力発電所を発動させればいいのだ。
水力の水門ももっと開けるがいい。
「節電」を個人に求めるのもいいが、大企業の無駄遣い、垂れ流し優遇から先ず止めよ。
前記のような疑いが晴れぬのなら、「計画停電」は、原発事故の経緯も含めて、国民を道連れにした、自爆テロのようなひどいやり方ではないか。
みんながもっと怒ってもいいのだ。
京大小出教授の見解(再掲)

写真はNASAの撮った東京の夜景。
夜間飛行で見るまばゆさはこんなものではない。







2011/03/22 9:22:41|樋口一葉
一葉を考えるためにフレーズ(20)自分でつけた戒名
法通妙心信女」(二十六年二月二十五日)

実際は、写真の脇にあるように、
「智相院釈妙葉信女」







2011/03/21 15:55:29|甲斐の夜ばなし
毛を引っ張られる(最終回)
 河口湖湖畔の船津(ふなつ)の村に、人並みはずれて下の毛が長い娘がおりました。

 なにしろ、湖畔で洗濯物でもすると、すすぐ衣類に毛がからみついたり、うっかり歩くと裾からずるずる引きずったといいますから大変です。

 湖が目の前にありながら、その頃、この村は水が乏しく、共同湯を利用するのが普通でございました。
共同湯と申しましても、昔鉱泉によくございましたように、大きな木の浴槽の真ん中に、湯の面すれすれに簀の子を立てて、男湯と女湯のかたちばかりの境界にしてあるだけでした。

 昼間は野良や山の仕事がありますので、湯が開くのはいつも日没後のことでございます。
浴室は小さな菜種油の灯火がありましたが、顔も見えないほどの暗さです。

 ある晩、湯がずいぶん混み合っておりました。

 湯につかっていた男が、湯面にたくさん抜け毛が浮いているのを見つけました。

「誰でぇー、だらしねーこんをするじゃん」

と舌打ちして、男は毛をつかみ、洗い場へ放り出そうとしました。
途端に女湯の方から悲鳴が上がって、若い娘が前を押さえて湯船から飛び出していったということです(富士河口湖町)。

サーバーの中に貯めておいた「甲斐の夜ばなし」は、これでひとまず底をつきました。
また、新作をこしらえれば別ですが。

写真は記事と無関係で、アルハムブラ宮殿で出会ったアナです。







2011/03/21 15:43:46|本・読書・図書館
新しい県立図書館を考える会3月学習会
 JR甲府駅の北側の整備が進んでいる。
ところが、山梨文化会館隣のクリーム色のスチール塀の中で何が起こっているのか知る県民は少ない。
よく見ると塀の隅に、新「県立図書館」の大きくもない完成予想図が一枚貼ってあるきりだ。
会でも発言があったが、知事が「日本一の県立図書館を作る」と豪語した割には、県民の期待感の盛り上げムードにずいぶん欠ける。
もっとも「日本一の県立図書館」が如何なるものか、どれほど金やひとのかかるものか知らずに、前記のように豪語してしまったことを、今は大いに悔んでいるのかもしれない。

 さらに殆ど知られていないのが、JR甲府駅の線路際に造りつつあるNHK甲府放送局である。

 とにもかくにも、今日の会のテーマは、
1.新県立図書館の運営について、県民として望むこと
 @開館・閉館時間、休館日
 A貸出、返却の自動化
 Bレファレンス、地域資料、山梨らしさ
 C交流ルームの管理と利用方法
 D指定管理者制度、委託する業務は
 E新県立図書館として、魅力ある新企画は
2.開館1年前の行事、開館記念行事の企画を考える
3.その他
というものだった。

 参加者のほとんどは図書館関係者、ヘビーユーザー、教育関係者だから、上記についてもハイレベルな要望が次々に出る。
中でも、誰もが指摘していたのが、「自動化」<人による対面サービスだ。

 また、外部への業務委託が皆無ということは望めないが、正規職員が気兼ねをする、結果、利用者サービスにつながらない、そういった業務形態はやめるべきだ、というもの。

 私は上記@〜Eに加えて、県立図書館の市町村図書館への支援・助言機能を忘れないでもらいたいと指摘しておいた。
近年、都道府県立は都道府県立、市町村は市町村でという考え方が広まっている。
互いに余裕はないからだし、独立した行政サービス機関だからというのである。

 今度の地震の直後、東北地方の公共図書館のホームページ、また、被害状況が心配で、私は時々眺めていた。
被害は様々である。
施設自体なくなってしまったところから、大きな被害を免れた施設まで。
そこで気づいてのが、指定管理者制度で運営されている館ほど、無期限休館に入っているところが多いと言うことだ。
岩手県立もそうだ。
だから、岩手県下の市町村立図書館への支援の姿勢や余裕など、殆ど見られない。
これでは、地域の図書館活動を振興するという、都道府県立図書館の意味を失うものだ。
指定管理者制度になってしまうと、契約外の対応、ことに今度のような激甚な災害への対応が難しくなることはまちがいない。
これらのデメリットを被るのは地域の利用者だ。

 新県立図書館が県民や県下に、あるいは図書館のネットワークの中で十全な役割を果たすことを真から望む。

 開館1年前の盛り上げ行事も、私などの希望を受け入れてくれて、中身のあるものになりそうだ。
昨年考えていた片山元島根県知事よりも、私は、適役の方が引き受けてくれることになりそうで、とてもありがたい。
しっかり決まったら、大いにPRしたい。