図書館の「遠隔利用」、図書館側から言えば「非来館型」の利用が、これからさらに進展するだろう。
たとえば、すでに大方の公共図書館でできるのが、オンラインによる蔵書検索だ。
ぼちぼち始まっているのが、検索した書籍をオンラインで借り出し、予約する方式だ。
必要な個所の複写依頼もかなりオンラインで可能になっている。
次には貸出依頼、自宅配達(もしくはコンビニなど利用者の指定した場所での受け取り)へと進むだろう。
近くの図書館なら、出かけて、司書さんにも手伝ってもらって資料を探すこともできる。
遠くの図書館、あるいは巨大な図書館は、いきなり出かけても、思ったような成果は得られない。
あらかじめ、蔵書検索をして、目星をつけてから出かける方がいいだろう。
「
国立国会図書館へ行ってきました」
と誇らしげな学生に、私は、意地悪ではなく、
「で、十分活用できたかい?」
と聞くのが常である。
私がよく利用するのが、国立国会図書館の複写の取り寄せだ。
利用者登録をしてあるから、ID番号とパスワードで、目下の関心を件名として雑誌の記事検索をかける。
大学の研究紀要類も検索されてくる。
今のところ、文献のタイトルの検索である。
自分に必要だと思われた文献があれば、検索画面から複写・配達予約をする。
文献を網羅できるとは思わないが、かなりのものを取り寄せることは可能である。
東京の本館あるいは関西館から1週間もたたないうちに送られてくる。
1枚が24円。
決して高くはない。
国立国会の場合、昔は、複写を隣り合った富士通などが請け負っていたが、今は、同館複写受託センターの名で仕事をしている。
かなり親切で、「○ページから○ページまで」と複写の依頼をしても、
「▲ページも入れないと書誌情報が不足しますが、どうしますか?」
などと電話をかけてきてくれる。
利用者カードの再発行も無料である。
戦後間もないころの雑誌・紀要の類だとマイクロフィルムから複写してくるのもある。
雑誌・紀要類は、いずれほとんどデジタル化されるのではないか。
「遠隔利用」にはますます好都合である。
けれども、これからは件名の付し方が課題になってくる。
PDFのような画像として読み込むついでに、全文テキストも読み込んでおけば、本文のどこにキイワードがあっても、検索可能になる。
文献のタイトルだけではない。
図書・資料はたくさんあればいいというのではなく、いかに整理され、組織化されて収蔵しておくかの問題だ。
そして、この作業は、時間と人手、つまりコストがかかる。
今のお役所には最も耳の痛いテーマである。