「唱歌」でとても心惹かれる歌が時折ある。
メロディもだが、歌詞のいいのが多い。
この季節になると、宴会帰りなんぞに知らず知らず口ずさんでいるのが「冬の星座」。
昭和22年(1947)に中学の音楽教科書に掲載されたものだ。
2番がとりわけ好きだが、中でも「きらめき揺れつつ 星座はめぐる」というところなど、冬空の清澄さと雄大な感じが出ていて、また、どこか華やかで大好きだ。
冬の星座
作詞 堀内敬三
1 木枯らしとだえて さゆる空より
地上に降りしく 奇(くす)しき光よ
ものみないこえる しじまの中に
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
2 ほのぼの明かりて 流るる銀河
オリオン舞い立ち スバルはさざめく
無窮(むきゅう)をゆびさす 北斗の針と
きらめき揺れつつ 星座はめぐる いつかアメリカの作曲家ヘイスが1872年に作詞・作曲したという原曲『愛しのモーリー(Mollie Darling)』を聴いたら、テンポも調子も全く異なる、カントリー&ウエスタン風の甘いラブソングで面食らった。
耳になじんだ
堀内敬三の歌詞と、ソプラノで歌いあげる歌唱の方がずっといい。
これは「訳詞」ではなく、「作詞」だろうが。
よく似たメロディに讃美歌の次がある。
星の界(よ)
作詞 杉谷代水 作曲 コンヴァース
月なきみ空に、きらめく光、
嗚呼(ああ)その星影、希望のすがた。
人智(じんち)は果(はて)なし、
無窮(むきゅう)の遠(おち)に、
いざ其の星影、きわめも行かん。
雲なきみ空に、横とう光、
ああ洋々たる、銀河の流れ。
仰ぎて眺むる、万里(ばんり)のあなた、
いざ棹(さお)させよや、窮理(きゅうり)の船に。 これも嫌いじゃないけれど、語彙が明治時代のキリスト教系の学生の唄みたいだ。
こんなのもある。
いつくしみ深き友なるイエスは
作詞 ジョセフ・スクリヴェン
いつくしみ深き 友なるイエスは
罪とが憂いを 取り去りたもう
心の嘆きを つつまずのべて
などかは降ろさぬ 負える重荷を
いつくしみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りてあわれむ
悩み悲しみに しずめる時も
祈りにこたえて なぐさめたまわん
いつくしみ深き 友なるイエスは
変わらぬ愛もて みちびきたもう
世の友 我らを捨て去るときも
祈りに応えて いたわりたまわん これはキリスト教の葬儀でしばしば歌われる。
「冬の星座」からいささか脱線した。