新聞、雑誌等に書いたもの、どっかでしゃべったこと、書き下ろし……の置き場です。 主に文学・歴史関係が多くなるはずですが、何にでも好奇心旺盛なので、どこまで脱線するか?!。 モノによっては長いのもありますが、興味のあるところから御覧下さい。
 
2010/10/31 10:07:33|グルメ
つけ麺縁者
ここのつけ麺を食べてから、よそのを食べる気はまるでしなくなった。
食後、スープも呑めるようになった。

それにしても、いつの間にか、つけ麺やラーメンでは、塩辛くてたまらない、たいして旨くもないスープを呑まなければいけないような風潮ができてしまったのだろう?
客でさえそれを助長している。
果たしてそういう店が旨いのかといえば、たいしたことはない。
本当のところ、味が分かっている客なのかどうかと思いたくなる。
まずかったり、塩辛すぎれば、あるいは好みに合わなければ呑まないのは当たり前ではないか。
これは店に対する自分の評価という「愛」であり、嫌なものは嫌だと意思表示して二度と行かないのが「礼」である。

「縁者」の豚骨魚介出汁はしっかりしていて、しかも塩辛くない。
煮干しの味が強いのも私好みだ。
食後出汁割りにして、十分呑める。
後で嫌な喉の渇きもない。

写真のは特製つけ麺930円。
メンマや海苔、チャーシューを足しながら、海苔の上の魚粉を溶かして味を変えながら楽しむ。

込んでいるときや急ぐときにはラーメンを頼む。
こちらはスープがややどろりとしていすぎるかもしれない。

これからの季節はつけめんの「あつもり」がいいかもしれない。

甲府市里吉4丁目
水曜日定休

縁者







2010/10/31 9:54:02|グルメ
十割蕎麦わらじ

久しぶりに山梨市駅近くの「わらじ」へ行く。
山梨県内ではベスト5に入る蕎麦だと、私は思っている。

今日は「新そば」があって、しかも石狩沼田産。
これは食べずにはいられない。

いつも何か添えずにはいられない癖で「天せいろ」をとる。
「せいろ」を一枚追加だ。
クーポンを持っていたから追加分420円がタダ。
クーポンは根津記念館でまとめてもらってきた!
これまたいつも手放せない。

甘みの強い蕎麦!!
ただ、うまいのだが、十割の常で、ぼそぼそと短く切れていて食べづらい。
やはり二八の方が向いているかな、せっかちな私には。
十割蕎麦わらじ







2010/10/30 21:49:49|ちょっと昔のこと
自動車嫌いの反動
 就職をしてバス、電車、徒歩とつないで通勤するようになってみると、自前の交通手段のないことが如何に不便なものか、私はすぐに気づいた。
大学を留年した年、傷病休の教師の代替講師をしていた某高校で、一人の教師が

「今の内に講師料をつぎ込んでも免許を取っておく方がいい」

としつこく言った意味も分かってきた。

 勤めることの意義や喜びなんかより、辛さ虚しさの方が募ってきた頃、初めての冬になってみると、帰りの電車を待つ駅のホームの八ヶ岳颪の寒さが身にしみた。

 自動車通勤をしていた先輩教師に同情されて、殆どの朝夕断り切れずに乗せてもらうようになると、人頼みの気兼ねと惨めさの思いが募ってきた。

「車の免許なんか一生持つものか。車なんて大嫌いだ」

と言いもし、その実、自分にはそんな経済的余裕なんかないだろうと思っていた負け惜しみがぐらついてきた頃、就職して二年目だったろうか、私は遂に教習所に通い始めた。
殆ど勤務後の夜間教習だった。
教科書のある学科はまだしも、運転の実技の方は、運動神経がいいとも言えない私にはきつかった。

「今までハンドルを持ったことがないんですか?」

とか、

「さすが学校の先生で、学科だけ出来るんですか?」

などと与太者に近い教習員に嫌味なことを言われ、「ここではこの男が『先生』だから」とじっと我慢する毎日だった。

 有効期限ぎりぎりの半年が近づく頃、ようやく免許が下りた。正直、嬉しかった。

 中古で装甲車のように重たい車を手に入れて、あちらこちらを擦ったりぶつけたりしながらも次第に運転になれてくると、私は自動車の運転という作業がかなり気に入り始めていた。
(写真:初めて乗ったのは三菱のコルト1200の中古車。)

 機会を自分で思いのまま? コントロールできること、行動範囲が広くなったこと、移動において他人をあてにせず、一人で過ごせる時間が確保できること……車の運転では相当なストレスが解消されるのを実感するようになった。

 そうなるとこれまでの意地っ張りの反動で、三百キロ、四百キロ長距離を運転するのが面白く、平気になってきた。
陸続きなら東北から北陸、山陽地域まででも車で出かけられるようになってきた。
荷物の積み下ろしの作業さえなければ、自分にはトラックの長距離ドライバーになってもよかったのだと思う時もあった。

 他人をあてにせず、徒歩でてくてく歩いて旅をしていた代わりに、今度は中古車で「どこまーでも行こう、路は険しくとーもー」などと口ずさみながら、私は車で放浪し始めた。







2010/10/30 21:35:52|ちょっと昔のこと
JACK and BETTY
 中学校に入って「JACK and BETTY」で英語を教わってみて衝撃を受けた。
教科書の中の米国人の母親は家の中で電気掃除機を転がしていた。
最近日本でも流行している先に集塵容器のついた形だった。
次のページでは電気洗濯機のローラーを回していた。
さらには冷蔵庫から取り出した食品をオーヴンで調理していた。
庭では芝を刈っていた。
昭和三十五年のことだったと思う。
戦後生まれの私は「戦争に負けるはずだ」とまで思わなかったが、「JACK and BETTY」の中の米国の暮らしは自分の周囲の生活実態とは絶望的に違っていた。

 とは言え、我が家が「電化」し始めたのはそれから間もなかった。
おそらく真っ先に電気炊飯器で、次に渦巻式の洗濯機だったろう。
当然、ゴムのローラーがついていた。
やがて冷蔵庫。掃除機は少し遅かったように思う。

 従兄弟の家で皇太子(現天皇)の御成婚に間に合わせたか、テレビジョンを入れたものだから、隔週の金曜日にはプロレスを観せてもらいに押しかけた。
年表を見ると昭和三十四年のことらしい。
暮れの紅白歌合戦には家中で観に出かけた。
「借りテレビ」が気兼ねで我が家でも東京オリンピック(昭和三十九年)を機に遂に入れた。
当時の我が家の立地ではNHKが二局、民放が日本テレビ系列の一局しか入らなかった。
だから、いくら時代を象徴する米国ドラマでも私は観られなかったものが多くて、町場育ちの同世代の思い出話に乗れないことも少なくない。

 「JACK and BETTY」に戻ると、米国では自動車も家族の数だけあって週末には湖や山麓の公園にドライブをするらしかった。
夏などには長期のバケーションに行くのである。
息子は女友達(ガールフレンド)を自動車に乗せて「drivein theater」へ行くという。
今にして挿絵を思い出して見れば、息子は大学のブレザーを着ており女友達はポニーテールだった。
まだ、「デート」などという言葉はなかった。
「drivein theater」自体、ドイツ語訛りのある年寄りの英語教師は「乗り込み劇場」と訳したが、一体どういう仕組みになっているものか、さっぱり分からなかった。

 私の親しい周りでは自家用車なるものを持っている人はまだいなかった。
三年たって高校へ入ってみたら、地理の教師がただ一人、中古車だったと思うが、小型車に乗っていて、それも時折、

「M(教師の名)の車がさあ、エンコしたらしくて××のところに停まって、車の下にもぐっていたから授業に遅れるぜ」

と噂される程度の代物だった。

 家の中は次第に「電化」されていったものの、自家用車などが我が家にやって来るだろうなどとは想像もしなかった。
昭和四十年代になっていて大学に入っていたが、加山雄三の「若大将」のような環境にいなかった自分が、自動車を持ち、スカーフを髪に巻いた女の子を乗せて湘南海岸をドライブするなんて想像もできなかった。
だから、負け惜しみで硬派を気取っていた。

 私や私の周りの者が徒歩中心の旅に向かったのは、こんな思いも影響していた。
バイト先の街角や、汗と誇りにまみれた旅先で、小ぎれいで底抜けに明朗な「若大将」的な同世代の男女を見かけると、私はやっかみ半分で「いかにも軽薄だ」と深く憎んだ。
VANだのJUNだのIVYだのコンチだのトラッドだの雑誌「メンズクラブ」そのままのなりをしている者たちも憎らしかった。
そうして、生涯、車の免許なんか取るもんかと私は思い、意地になって自動車学校にも通わなかった。
就職をして二年、毎日小一時間も電車で通い、寒風吹きすさぶ駅のホームに立ちつくすことが、心底辛くなるまでは。







2010/10/29 19:18:20|本・読書・図書館
国民読書年で電子書籍元年だって!
山梨県図書館大会のパネルディスカッションを聴いてきた。
パネラーは永田薫氏(図書館総研)以外はみんな顔なじみ。

大串夏身氏(昭和女子大)、斉藤順子氏(図書館ボランティア山梨)、松岡要氏(日図協)

大会テーマは「今年は国民読書年・未来につなぐ読書の世界」

で、皮肉なことに、電子書籍元年でもあり、事業仕分け元年でもある。
図書館の現況は、松岡さんが示した「日本の図書館」のデータが物語っているとおりだ。
図書館も読書も書物も、平均値からいえば大事にされていない。

全国の図書館数2,613(2000年)→3,144(2010年)

ところが、

正職員数15,175(同)→12,623(同)
うち司書数7,592(同)→6,421(同)
非常勤・臨時職員数9,861(同)→15,254(同)
資料費(万円)3,615,654(同)→2,945,949(同)

行政の社会教育担当の見識のなさ、力量のなさ。
いやさ、大学で図書館学を講じている学者たちの評論家面。
図書館を食い物にする民間会社。
教員の不勉強。

もうたくさんだ。

子どもを目の前にして、本当の「読書サービス」を体験してみよ。
せめて自分の担当する学生たちには、「現場」意識、そして、「当事者意識」を持たせたいと思う。