新聞、雑誌等に書いたもの、どっかでしゃべったこと、書き下ろし……の置き場です。 主に文学・歴史関係が多くなるはずですが、何にでも好奇心旺盛なので、どこまで脱線するか?!。 モノによっては長いのもありますが、興味のあるところから御覧下さい。
 
2013/03/16 12:19:02|甲府
これから、街をどうするの?
「県人口:23年7カ月ぶり、85万人割る 続く社会減、自然減 少子高齢化が追い打ち」

こんな統計結果が出て、街頭インタビューでも、「雇用がないのだから仕方がないと思う」とか、「東京から来たが、子育てにはゆったりしていていい」とかの声を聞いた。

新聞の投書では、高校生くらいの若い世代が「歩きたくなるような、魅力的な街づくりをしてほしい」と書いていた。

そうかと思うと、3月14日県教委まとめの「青少年の意識行動調査」結果によると、「県内での就職を希望した若者(12−30歳)の割合が37パーセントに上り、県外就職の希望者と初めて拮抗した」とあった。
ここでは「地元に愛着を感じるか」には79.8パーセントが「ある」と答えた。

これらの結果をどうつなげて見たらいいのか。
地元への愛着はあるが、雇用も、実は楽しみもない、と見るか、冒険を嫌い、内向きな若者の傾向だ、と見るか。
若い人をいかに積極的なマインドをもって地域にいさせるか?
それはできなければ、この地域も、働き口のない若者が街角ごとにバイクに跨って群れている東南アジア諸国のようになってしまう。

雇用を作るのは自治体行政の先を見据えた施策だろう。
空き地があれば太陽光発電施設ばかりつくるのは、いいようでさほど威張れない。
空き地を活用できない点で後ろ向きだ。
企業誘致できるような環境整備をする気になってほしい。
リニアあるいは横断道が通ることを、県の未来像に活かすような積極的な施策を考えてもらいたい。
いずれにも「やる気」が欠けているし、県政にも、たとえば甲府市政にも、「攻めの姿勢」が感じられない。
なすがまま、だ。
第一知事も市長も存在感がなさすぎだ。
これでいいのか?

市町村によって違いはあろうが、現在の高齢者には、介護する人もいて、対費用効果も出ていて、介護制度は辛うじて機能している。
これからの世代は、そうはいかなくなっていくだろう。
人もいないし、経費もない。
行政がいただくものはしっかりいただく、自己責任や家族の責任でやってくれ、となりそうだ。

「地域の活性化」という抽象的な掛け声や、空っぽの建物、花火のような断続的な催しでは、真の地域おこしにはならない。
個々の施設に魅力がなければ、真に「地域」に人は集まってこないし、定着しない。
催しは、地場産業に結びつき、少しずつでも恒常的な雇用や利益を生みださなければ、手間だけ無駄というものだ。
リーダーシップのない自治体、組織自体の利潤と効率しか考えていないJAの下、御他聞にもれず、この地域でも、TPPの激浪を乗り越えるのは難しいだろう。
新たな「楢山」も生じそうだ。







2013/03/14 14:15:58|甲府
甲府裏春日
甲府岡島百貨店前の細い路地が「弁天通り」。
細いけれど、一方通行で、車が南進する。
たまにはここを抜けたくなる。
凋落したとはいえ、洋食のスコットもあるし、蕎麦屋の楽、春光堂書店、居酒屋江戸屋、カフェ・ロッシュ、富士アイス、さらに下ればバー・ノアノア、釜めしたぬき、スタンド割烹満月。
懐かしい店ばかりだ。
いますぐにすっ飛んで行きたいくらいだ。

「裏春日」と言えば、甲府で社会人をやっていた50−80代の男どもには、夜のふるさとのようなところだ。
一晩で7,8軒はしごをして歩くのも珍しくなかった。
何を飲んで、何を食べたのか、なにをしゃべっていたのか、お金はどうしたのか、もう殆ど覚えていない。
ただむやみに盛り上がっていたし、気合が入っていた。
夜はどうにも短かった。

いつか米子の飲み屋街に出た時に、往年の流行っていた甲府「裏春日」をほうふつとさせて懐かしかった。
肩を組んだ酔客どもは裸電球の路にあふれ、焼鳥屋の煙とともに丸椅子が通りにはみ出ていた。
山陰地方の物産の集散地だから、夜の街も賑わうのだと聞いた。
米子も今はどうだか分からない。

今や、甲府の「裏春日」の仲間たちはちりぢりだし、幽冥境を異にする先輩も少なくない。
シャッターが閉まっていたり、外国語の看板が増えていたり……
夜出没することの殆どなくなった今でも、私はたまにはこの路地を通り抜けたくなる。
そして、しゅんとしている。

写真真ん中:こういう提案をする人もいるのだ。
右:店の名が「とこしえに」というのも、切ない。

「裏春日」アルバムを別のアルバム・ブログに載せようかな。







日本語とパソコン
雑誌等の編集の最終段階には、版面の微調整が多くなってくる。
これが割合やっかいである。
とは言え、書き手の心情や読み手の見やすさを考えると、できる限り微調整はしようと思う。

どういうことかと言えば、「ここから、ここまで、1字下げ」とか図版位置調整とかに関わって、「、。」「っょ」「「」」等の処理である。

日本語の用字は正方形が積み重なっていて、文章にくみ上げることは容易なように思えて、実はそうでもない。
行末に既出の句読点や小文字を来させないとか、ややこしい約束事がある。
そこへ来て、パソコンのページ編集ソフトが、勝手に「さかしら」な知恵を出し、いつの間にか文字を詰めたり、送ったりしてしまっていることがある。
気付いたら、仕上がりが見苦しくなっていることもある。

もともと英語用に作られているページ編集ソフトを、無理やり日本語用に用いているからこういうことも起きる。
実はワードでもエクセルでも、IBMのホームページビルダーでも同じような「おせっかい」が起きることは、よく知られている。
手作業、微調整を難しくしているのだ。
プログラムの組み立てを、隅から隅まで100パーセント知っているのなら、対処もできようが、息も絶え絶えに使っているような自分には、これは苦労の元である。

かつてこう言われた。
日本語の表記は、表意文字と表音文字とを煉瓦のように正方形を積み上げていく構造だから、パソコン時代にはうってつけだ。
ワープロソフトも諸言語に先だって実用化するだろう。
漢字、ひらがな、カタカナ、外国文字を混在させ、縦書き、横書き、右書き、左書きが平気の平左という表記の仕方を見れば「なるほど」と思われた。

でも、ビジネス用とかオフィス用とかのパソコンソフトの殆どが、アメリカで開発されたものであってみれば、こういう表記法はなんら有利な点ではなかった。
こういうオリジナリティのなさというか、「後追い主義」というか、ある部分の「ガラパゴス化」というのは、日本の技術に多いような気がする。
メードインジャパンの退潮は、ここにも一因があるような気がする。
いまだに「日本の技術はどこにも負けない」などと言っているのは、おめでたいとしか言いようがない。

今日の話題では、行頭、行末に句読点がこようが、小文字がこようがかまわない、とすればなんとでもなるのだ。
あるいは一段の文字数をファジイにするとか。
結局、現状でも、こういう措置をとるしかないのだし……。

しかし、我らには、谷崎純一郎が自らの「全集」を編む時にこだわったような、見た目への微細なこだわりがある。
すなわち、谷崎は、全集の全ページ、全文字の間に4分の1のインテルをはさみこませたことだ。
ここまで贅沢にすれば、版面も、ぱらりときれいに、しかも、整然と組み上がるだろう。
そして、このやり方をパソコンという機械とどう折り合いをつけるか、だ。

今日は抜歯に行きます。
『楢山節考』のおりんばあさんのように鬼の形相で帰ってくるかもしれない。







2013/03/11 17:45:26|甲府
3.11
市内の銀行の屋上に掲げられた弔章。
青空に、胸が痛かった。
「本当にごめん」と言わなければ。
日の丸の意味が分からない。

オリンピックなんかに立候補している場合か?
誘致批判もしづらい、批判すれば非国民的なムードがますます出てきた。
アスリートたちにも体育会系のいやらしさがふんぷんだ。

日本は安全だよ、特に首都圏は……。
これは二代続く都知事の傲慢な勘違いだ。
放射能汚染の問題で、この国がどれほど不安がられているか。
しかも、まだ、原発に訣別しようという国の意志さえ揺らいでいる。

隣国の大気汚染の解決に力になりたい?
自分の頭のハエを追うがいい。

沖縄普天間の基地は、結局、どこへどうなるのか、日本国民は餌に釣られるだろう、と思われているよ。

日本が、いつ中国、韓国と武力衝突するか、諸外国は見ているよ。
いつ憲法を改訂するか、も。

オスプレイがいつ落ちるか、米国民でさえ注目しているよ。

復興した様子を世界に見てもらいたい?
現状はどうなの?
あと8年で、どういう工程表で復興させるというの?
土建屋は潤うの?

TPPにこのタイミングで参加するの?
北海道も東北も、第一次産業は壊滅するだろう。
「六次産業化」って、加工も流通も復活できるの?
第一次産業の延命には、これまで以上の多額の補助金が必要となるだろう。
我々の口に入るのは、工場生産品か、輸入品だ。

被災者の方々、子どもたち、本当にごめん。







2013/03/10 9:55:20|ことばグルメ
江戸端唄「梅は咲いたか」
♪ 梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ風次第
 
山吹ゃ浮気で 色ばっかり しょんがいな〜
♪ 梅にしようか 桜にしよかいな 色も緑の松ヶ枝に
 梅と桜を 咲かせたい しょんがいな〜
♪ 昨日 北風 今日は南風 明日は浮名の たつみ風
 恋の風なら 色ばっかり しょんがいな〜
♪ 柳橋から 小舟で急がせ 舟はゆらゆら 波次第
 舟から上がって土手八町 吉原へご案内
♪ 桜さくらと 浮かれているわいな 弥生三月 花見月
 あなたは花より 酒ばっかり しょんがいな〜
♪ アサリ取れたか ハマグリまだかいな アワビくよくよ 片想い
 サザエは悋気で 角ばっかり しょんがいな〜
♪ 銀座八丁 行こうじゃないかいな 山の狐が 七化けて
 黒い眉引く 袖を引く しょんがいな〜
♪ 恋の浅草 二人で行こかいな 何を言問 都鳥
 末は千鳥で 泪橋 しょんがいな〜