FMを聴いていてよかったと思うことが時々ある。
ただ2時間、それ以上も、ラジオのそばを離れられなくなる、車なら降りられなくなるということも起きてくるのが都合が悪い。
先日は4日間ラフマニノフ三昧。
1919年の最古の自演の録音から聴けた。
当然電気録音以前だから、集音ボックスにピアノの音を吹き込んだ(ミゾ録音だ)ものをデジタル処理したという代物。
ピアノロールからの再現という音源もある。
これも意外にも再現性が高い。
1920年代後半になると電気録音が始まる。
エジソン社での演奏は、エジソンがテキトーだったから、作品選びを含めて微妙である。
力持ちで一オクターブ半指が届いたというけれど、初期から彼の演奏は繊細なものだ。
けれども、彼が演奏家としてよりも作曲家の側面を優先していたら、そこがアメリカでなかったら、ロシアに居続けられたら……と仮定はあくまで仮定だが、色々ないものねだりをしてしまう。
最終日の放送で流された「アメリカ国歌」演奏は、彼がきわめてロシア的で、また、お人よしであるがゆえに余計痛々しくて聴いていて辛かった。
映画「七年目の浮気」でリチャードのむずむず感を「ピアノ協奏曲第二番」でパロディ化していたのを思い出して、笑えなかった。
今年は没後70年だという。
その演奏はかなり聴かれるだろう。
さて今日はベルディ「トロヴァト−レ」(全曲)。
パヴァロッティやサザランドといった故人も含めた、1976年ロンドンでの名演奏だ。
いまやCDも廃盤。
ヴェルディは生誕200年という年に当たるという。
顔ぶれを写しておくと、
リチャード・ボニング指揮 ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 ロンドン・オペラ合唱団 ジョーン・サザーランド(S)マリリン・ホーン(Ms)ルチアーノ・パヴァロッティ(T)イングヴァール・ヴィクセル(Br)ニコライ・ギャウロフ(Bs)他