さあ、昨日も少し触れましたが、
今年の
『海の日』は、今日ですよ〜
と、云う事で、
今日は海の日に寄せて投稿します。
180人もの中学生と一緒に、
海洋プラスティックゴミについて考えた、
講演会についてお話しさせて下さい。
貴重な機会を戴いたのは、
甲府市塩部に校舎を構える、
駿台甲府中学校様です。
甲府市の環境教育プログラム推進事業の一環として、
開催された講演会です。
昨年8月に続いて、2年連続で呼んで戴きました。
そして、新たなチャレンジも実行して、
非常に有意義な講演会にする事が出来ました。
そこで、是非とも多くの方々にもシェアしたいな―
と、実感したので、この講演会の事を、
今日は余すところなくお伝えしたいと思います。
会場は、同校内にある大ホールです。
あれだけ広いと、さすがに緊張しますね
講師案内を担当してくれた生徒さんに続いて入場。
大きな拍手も戴いて、有り難い限りです。
講演会の司会も、生徒さんが担当してくれました。
言葉もハキハキしていて、
自分より落ちついてるんじゃないの・・・
凄く上手です
プロフィールは、
別の生徒さんが紹介してくれました。
こんな感じで、講演会が始まりました。
早速自己紹介をさせて戴いて、
こうした機会を戴いた経緯や、
昨年の講演会の事もお話しして、
絵本、
『イルカのKちゃん』を掲げて、紹介しました。
自分がこのKちゃんを伝えるきっかけになった、
著者の田口周一さんや、ドルフィンクラブの皆様との、
出会いについて語り、実際のKちゃんの映像を、
見て戴く事にして、映像が流れ始めました―。
が、どうしても音声が出て来なくって、
生徒さんに動揺も見え始めて来ました。
映像だけ淡々と進んでいきます。
そこで、修正をして戴いている間に、
口頭で、このイルカのKちゃんの内容を、
お伝えした後で、
絵本の朗読を先に行いました。
機械の不具合で、
ちょっとしたトラブルでしたが、
なんとか生徒さんの動揺は、
最小限に抑えられたと思います。
映像も無事に復活しました。
が、また音声が出なくなってしまうといけない―
学校側のご配慮で、DVDに収められている、
別の映像も、見てもらう事になりました。
こちらの映像は、
イルカの習性や、イルカたちの生活を記録したもので、
これはこれで、楽しかったと思います。
只、このことで、結構、尺を使っちゃった・・・
この後、Kちゃんを苦しめた釣り糸が、
どのくらい強度があるのか、
生徒さんにも、体感してもらいます。
何人か壇上に来てもらって、
PEライン・
ナイロンライン・
フロロカーボンラインの、
3つの特性の違う糸を使って、
自分と引っ張りっこしました。
PEラインなどは、本当に自分も引っ張られてしまい、
おっとっと・・・
なのに、ビクともしない強さに驚いていました。
一方、フロロラインとナイロンラインの片方には、
発砲スチロールの煉瓦を取り付けていて、
引っ張り合う度に、糸が煉瓦に食い込みます。
「こんな事が、Kちゃんに起ったんだ・・・」
きっと、衝撃を受けたと思います。
この釣り糸の素材は全て、
プラスティックです。
こうしたプラスティックのゴミが海にはたくさんあって、
少なからず生きもの達に、悪影響を与えているのです。
が、やはり非常に便利な素材である事は間違いありません。
プラスティック―。と、云う化学素材を、
無くす事は、おそらく難しい・・・。・
ならば、どう考えるのか―
どうすれば、今より改善するのか―
みんなと一緒に考えたいんだよね・・・
と、事前の打ち合わせで、先生方から提案して下さった、
タブレット端末を使って、
即座に、自分からの問いかけに答えてもらって、
それを目視化しようという、チャレンジをしました。
先生も、授業では使うけれど、
こんなに大勢で、しかも、
講演会で、このアプリを使うのは初めて・・・
と、仰って居りました。
海洋ゴミについて、
意見を交わすキーワードにしたのが、
SDGsです。
持続可能な開発目標ですね(^_^)v
先ず、アプリの状態を統一するために、
最初の質問は、
「SDGsについてどれくらい知っていますか?」と、云う質問を投げて、
17ある目標を幾つか云える、知ってるが
赤色言葉だけは知っているよが
青色実は、今日が初耳なんですとかは
黄色の3色で答えてもらいました。
すると、即座に生徒さん達の答えが、
色分けされて、スクリーンに投影されます。
わあ、凄い、凄い、
中にはコメントを添えてくれてる生徒さんもいます。
答えが出そろうと、その比率まで確認できるんです!!
わあ、殆ど赤じゃん、嬉しい!!(心の歓声)
これは楽しいです。
続いての質問は、
「Kちゃんを苦しめた釣り糸、
どうしてあげたらよかっただろう・・・」と、云う質問です。
赤は、
一度捕獲・保護して、糸を除去してから自然に戻す―
青は、
捕獲保護して、余生は水族館等で過ごしてもらう―
黄は、
やっぱり自然界の事だから手は出さない方が良い―
この質問も、出だしは赤が圧倒的でしたが、
次第に青も、黄色も、増えて来ました。
しっかり考えてくれている証しですよね。
180人もの一斉レスポンスは圧巻です!!
その後で、具体的な目標と擦り合わせてみます。
これは、口頭で伝えていきました。
これらの諸問題の解決には、
SDGsの17の目標の中のどこを目指すのか
幾つかの例を挙げてみました。
14番目の
『海の豊かさを守ろう』イルカが棲める海を後世に残すためには、
先ず海が豊かである事が先決―
15番目 『陸の豊かさも守ろう』豊かな海の前提には、陸が豊かであることも重要だ―
4番目 『質の高い教育をみんなに』世界中のみんなが平等で質の高い教育を受けられれば、
自ずと解決策が見つけやすくなるだろう・・・
どれも大事だよね。
と、前置いてから、自分の思いとしては、
12番目 『つくる責任 つかう責任』人間が作り出した物は、
やはり人間だけが解決できるはず―
ここをやって更に、意識を広げていけば・・・
生徒さんたちに、自分の思いも伝えます。
そして、最後の質問は、
Kちゃんの問題には、漁業も深く関わっています。
が、日本の漁業は、年々廃れている現状があります。
その一因として、海外からの海産物輸入も、
あるのではないか―
その例として、
みんなが好きな回転寿司のネタを聞きます。
マグロ・サーモン・イカ・エビ・ウニ・イワシ・・・
おお、それ殆ど輸入されてる魚だよね。
知っている限るの産地も伝えます。
安価で大量に仕入れられれば、儲けはできる。
けれど、日本の漁業はこのままだと、
『持続可能』には、ならないかも・・・
なら、どうするか、
産業も考えてもらうために聴いた事は、
赤は、
日本も若い世代が引き継いで、
もっとたくさん捕れるように漁業を変えていく青は、
現状維持―
但し、漁場管理を徹底して質の高い漁獲を確保黄は、
捕る漁業から、育てる漁業への転換(養殖技術の革新)ここは、割とまんべんなく意見が分かれていきます。
こうやって、様々な意見を合わせて、
よりよい方向に変えていくこと、
多様な意見があるからこそ、
自分自身で先ずしっかり考え、発信すること、
是非、考え続ける事、学び続ける事を、
心がけて欲しいと伝えて、講演会を終えました。
気が付くと、戴いた時間をだいぶオーバー
けれど、生徒さんたちの眼は、ずっと輝いてました。
予想を遙かに越えて盛り上がってくれました。
生徒の皆さん、長い時間本当にお疲れ様でした。
そして、本当にありがとうございました。
メッチャ、楽しかったです
写真はどちらも、
今回の講演会での釣り糸の引っ張り実験用に、
手作りした小道具です