鯛損の「でっかい夢釣りあげよう!!」

魚釣りをもっと楽しく、 魚釣りでもっと綺麗な海を!! フィッシングメッセンジャー野澤鯛損は、 釣りの世界のインタープリターです。 HOOKかんきょう『協育』事務所のページと、 併せてご覧下さい!! 釣り人も、そうでない人も、大人も、子供も、 でっかい夢、釣りに来て下さい。
 
2021/07/16 9:06:01|お気に入りの場所
今日のエースランナーは誰!?(東京五輪聖火八丈を走る!!)
東京オリンピックの聖火リレーも、
いよいよ大詰めになって来ました。

そして昨日から、島嶼部でのリレーが始まりました。
都内はほぼトーチキスのみのイベントでしたが、
島嶼部は公道を使って、実際にランナーが走ります。

さて、今日の聖火が何処を走るかと云うと、
自分の大好きな、第二の故郷だと思っている、
八丈島(町)を、ランナー達が繋いでくれます

東京都 | 東京2020オリンピック聖火リレー | 東京2020オリンピック | NHK

先日の山梨県でのリレーでは、
知人が走っている姿を見て感動し、
やっぱり、オリンピックが見たい―。
と、強く思ったのでした。

そして今日の八丈でも、
何となくなのですが、
知人が走るような気がしています。

実はワタクシ、島でも相当に面が割れていて、
行くと、気軽に「タイソン」って、
呼んで下さる人もいらっしゃるくらいなのです。

山梨に来た事のある子にたまたま会ったりすると、
「ダイソン」って、振って来るので、
思わず、「掃除機じゃねーよ」ってボケてしまう・・・
弄られちゃってますねえ幸せ

映像を見れば、きっと知ってる顔が、
一人二人は、いるんじゃないかなあ・・・困った

なので、ライブストリーミングを、
凄く楽しみにしていますチョキ

今日の投稿のメインは、聖火リレーの話題―
と、いきたいところなれど、

これは釣りのブログなので、
強引に釣りにリンクさせて、
投稿を成立させちゃおう―。
って、思って居ります。

悪しからず、ご容赦下さいね。
それくらい八丈町は大切な場所なんですよラブ

さて、個人・チーム競技に拘わらず、
いつも上位の成績を残している優秀な選手の事を、
『○○のエース』って、
呼び方をするじゃないですか!?

今日の聖火リレーの、
エースランナーは誰なんだろう・・・
ってか、全員がエースですよねチョキ

実は、八丈には『エース』と、云う名の、
お魚が居るんです。
そして、釣れるんです!!

更に『エース』の名前を冠した、
釣具屋さんまであって、
自分が初めて八丈で釣りをした際には、
このエースのお店で、あれこれ購入しました。
八重根漁港の脇にあるんですよ。

でも、コレ魚の呼び名だったとは、
行くまでは、は全く知らなかったぁ・・・

『エース』なんて魚は、
見たことも聞いたことも無い―
そう思っていました。

ってか、なんちゅう名前だ!!
と、思ったくらいです。
違和感在りすぎでしたムンク

ところが、この釣具屋さんで、
でっかい「エースの魚拓」を見て、
これがエースなんだあ・・・
って、超ビックリしたのを思い出します。

だって、魚拓にも正式な和名じゃなくって、
エースって書かれているんですから、
八丈では、この呼び方しかないって事ですよね。

その『エース』の正体が、上の写真です。
コレって・・・
その通りです。メジナですね。

オナガもクチブトも、メジナは全て『エース』
何でやろ・・・??

諸説在るらしいのですが、
最も有望な節は、
思わず「えーっ、あんまりだあ!!」
なのですポカン
だって、凄いじゃんって思うのですが、

八丈を始め、伊豆諸島ではメジナなんて、
セコい―
そうなんです泣き

その中でもエース各のセコさなので、
エース・・・寝ぼけ

でも、自分の中では絶対エース的なお魚ですので、
理由は封印で、エースを支持しまっせ〜ラブ

写真は、伊豆大島で釣ったエースです。
オナガですよチョキ
 







2021/07/15 9:06:01|ニッポンの釣り
夏の夜のユーレイ退治(^_-)
さあ、夏と云えば怪談ですね〜困った
今日の投稿で、ちょっとヒヤっとしてください。

釣りをされる人って、
なかなかの恐怖体験されてますよね〜ムンク

時に、通り慣れている道を間違えて、
何度も同じ場所に出てしまったり・・・
ミステリーゾーンに迷い込んでしまった―
そんな感覚も覚えた事ってありませんか。
いやあ、怖いですね〜。不思議ですよね〜エロ目

と、云う事で、
今日はユーレイのお話しをしましょう。

夏の夜
海の上で行われるユーレイ退治のお話しですガイコツ
そのユーレイは、正に神出鬼没―
時にふっと現れ、消えたかと思うとまた現れる・・・

その姿は闇夜に妖しく輝く銀ピカで、
ゆらゆらと動きます。

目は大きくギョロっとして、
口は裂けています。

鋭いその歯にちょっと触れただけで、
出血してしまう事もあるんです。

ところで、有名なこの句はご存じですか?

幽霊の
 正体見たり枯れ尾花


この句を詠んだのは?
そう。松尾芭蕉ですね。

尾花と云うのはススキの事です。
ざわざわと揺れて気味悪く、
背が高い影が覆い被さってくる・・・

昔は夜は本当に闇で、
回りに何があるか分からずに、
幽霊だと思っていたもの―。
それは、一面のススキ野であった―
と、云う句です。

では、銀ピカに妖しく光り、
目は大きく、口は裂けた・・・
の、正体やいかに!!

って、この釣りをやった事ある人なら、
もう分かりましたでしょウィンク

そう。タチウオです。
この魚がユーレイだと言われる理由が、
幾つかあります。

その話しと、このタチウオ釣りで、
釣果を伸ばす、言わばゴーストバスターズに、
なれるコツを伝授致しましょう(^_^)v

まあ、ホント静岡住みの時には、
タチウオには散々お世話になりました。

一時期、冷凍庫がタチウオのストックで、
満タンになっちゃった事もありました。

だって美味しいんですもん。
こんなユーレイなら、会いに行くっしょチョキ

タチウオは、各地で様々な釣り方がありますので、
ここでは、自分が腕を磨いた駿河湾での、
船釣りによる、タチウオの夜釣りについてです。

蒸し暑い、できたら曇った夜が、
狙い目だった気がします。
現世でも、何か出て来そうな風もない熱帯夜・・・

仕掛けは両天秤・または片天秤に、
ナイロン、またはフロロカーボン6〜8号くらいの、
ハリスをおおよそ一ヒロ(1,5b)とって、
その先にワイヤーリーダーと、
集魚用のタコベイト付けた1本針の仕掛け―

両天秤の場合は、左右のアームに1本づつの、
2本針仕掛けがスタンダードでした。

そして水中ライトを、
オモリを下げる装着し、その下に胴突オモリ―。
おおよそ80号〜100号のサイズです。
割と重たいサイズを使うのも理由があります。

ポイントに着くと、
やおら船上では集魚灯が灯され海面を照らします。
暫くすると、イワシやら、アジッ子だの、
サバッ子だの、ヒイカだの、
ベイトが動き始めます。

エサは、サバかサンマの塩漬けの切り身―
脂の多いヤツが食いがいいですよグッド

タナは最初は深め40〜60bくらいだったかなあ・・・
タナで止めたら、徐々に誘いあげます。

ゆっくりと手で巻きながら、
時にアタリをききながら、
巻き上げていると、コツンと何か触ります。

これが実は、ユーレイの前アタリ―。
ここで一端、巻くのをやめてポーズ・・・
更にコツンとアタったら、
少しラインを送り込む・・・
そこでまたポーズ・・・

で、グンッと強いアタリに変ったら、
アワせます。がっちり食わせる為に、
結構ガツンとアワせましたね。

すると、途中でふっと軽くなったりします。
これは、泳ぎ方が変ったんです。
捕食する時は下から狙っているので、
コヤツらは、おおよそ垂直に立って泳いでます。

そう。こう言う泳ぎ方もできるので、
タチウオの語源は「立つウオ」と、
云う節もあります。
一般的には、「太刀(たち)ウオ」が、
通説です。

捕食後は潜ろうとするので、下向き、
または普通の魚の如く水平に泳ぎます。
なので、軽く感じます。

当然ですが、本当にバレてしまう時も、
軽くなるので、見極めが肝心です。

また、タナがめまぐるしく変わります。
浅くなるときもあれば、急に深くなったり、
魚探からふっと姿を消す場合もあって、

そんな時は、海面直下がギラギラ・・・
なんて事もあります。

これが、ユーレイと呼ばれる所以で、
まさに神出鬼没、どこにいるか探り合うのが、
この釣りの醍醐味だと思います。

なので、軽いオモリだと、
仕掛けのオマツリがおき易いので、
自分はおおよそ80号で通してましたネ。

それに、完全食い上げのアタリだったりすると、
突然、道糸がふけますので、
これは糸を張って聞きアワセが有効でした。

食いの良い晩は、40本以上釣れましたが、
釣りすぎということはなく、
近所に持って行けば、
喜んでもらってくれましたねラブ

浜の人たちは、ほぼご自分で捌けますから、
可能な限り釣りたてをお渡ししましたチョキ

このユーレイ撃退法も、
きっと、どんどん進化してるでしょう。
古い!!
って、思われた方も、いらっしゃるかもしれませんね。
今は、その風貌から、
ドラゴンフィッシングなんて云われてますよね。

けど、真夏の夜のユーレイとの対面は、
嬉しく美味しゅうございましたとさ照れ

ゴーストバスターズ♪♫


 







2021/07/14 9:06:01|釣り用語の解説
朝瀬・昼トロ・夕のぼりって知ってますか!?
九州北部では梅雨明けですね〜。
こっちも間もなくかなぁ(^^)/

さて、今ではスイッチポンで、
美味しいごはんを、
炊飯器が自在に炊き上げてくれます。
よほど水の量を間違えない限り、
美味しく炊けますね幸せ

が、昔は、美味しいごはんを炊く極意として、
始めちょろちょろ・中ぱっぱ・赤子泣いても蓋取るな・・・
なんて云われて、お嫁さんはお姑さんに、
みっちり仕込まれたそうですョ(^_-)

今は当然そんな時代ではありませんが、
例えばキャンプで、
焚き火で美味しいごはんが炊ける人は、
間違いなく人気者です(^^)/

ところで、アユ釣りの専門用語に、
始めちょろちょろ・・・
に、響きが良く似た言葉があります。

釣りは自重して、釣りの勉強しましょ美味しい

それがタイトルの、
朝瀬・昼トロ・夕のぼり・・・
と、云う言葉です。

なんとなくで構いませんが、
どう云う意味なのか分かりますか?

当然、アユ釣りをしている方なら、
知らないとエセ・・・
疑惑が浮かびあがるでしょう(^_-)

それくらい、アユ釣りに関しては重要で、
思わず、ああなるほど〜と、
ガッテンボタンを連打してしまうでしょう(^^)/

では、僭越ながら、
今日はこの専門用語を解説する投稿です。

この言葉は、
アユを狙う時間帯を示す言葉です。

朝瀬・・・
これは、朝は瀬を釣りましょう―。
と、云う事です。

こんな理由があります。
夜が明けて日の光が川に差し込むと、
変化として何が起るでしょう!?

第一は、水温の変化です。
日の光が当たれば当然ですが水温は?

正解!!
水温は、上がりますグッド

そうなると、アユの活性もあがる訳です。
が、これだけでは大正解には至りません。

では、次の要素です。
アユのこの頃の主食はなんですか?

おおっ、正解(^_^)v

川の石に付いた珪藻類ですね。
早く云えばです。

日の光に当たって変化するのは、
光合成による、この苔の成長晴れですね。

たくさん苔が付けば、
たくさんのごはんにありつける訳です。

でも、完全に石が水没していると、
日の光は届きにくくなる―。

水温の上昇によるアユの体温の上昇と、
苔の成長によるエサの確保を考えた時、
川のどんな場所が釣れそうかと云えば、
そう。『瀬(せ)』です。

瀬とは、開けた流れのある場所ですが、
平瀬とか、チャラ瀬とか、
瀬肩とか、瀬尻とか、色んな呼び方があります。

瀬にはアユの縄張り(エサ場)が点在していて、
朝活性が上がるに連れて、
縄張り争いも激しくなるので、
朝は瀬で釣ってみよう―。
と、云う事です。

では、昼トロはどうでしょう?
響きで考えると、昼はアユも眠くて、
トロっとしちゃう―。から・・・

って、感じですよね(^_-)
これ不正解ではあるものの、遠からじです。

トロ―
と、云うのは「トロ場」と、云う意味です。
トロ場とは、川の流れがゆったり、
トロ〜っと流れている場所です。

こう云う場所の特徴として、
水深は?

さすがっ!!
深いですよねグッド

しかも、瀬ほど石が多い訳ではなく、
でっかい岩が沈んでるってイメージです。

朝に、せっせとエサを食べて、
縄張り争いで疲れたらどうでしょう。

人で云うなら、午前中に頑張って仕事して、
お昼ごはんの後は、どうしますか?

その通りびっくり
「食休み」ですよ。

こんな言葉もありますよね。
「親が死んでも食休み」ってねウィンク

だから、アユもお昼はお休みです。
だって、アツいじゃんスマイル

この時間帯のアユは群れている事が多く、
遊んでる感じなので、
縄張り争いを仕掛けるのではなく、

「遊びましょ!!」
って、トロ場でおとりアユを一緒に、
遊ばせてあげるんです。

そうこうしてるうちに掛け針に引っ掛かる・・・
いわゆる泳がせ釣りってヤツです。

アユに動きを委ねて自然に泳がせておくと、
釣れる確率が高くなる―。
って、云う事です。

さあ、それでは最後の「夕のぼり」は、
どうでしょう?

日没から暗くなるまでの夕方、
川風が吹いたりすると、どうなりますか?

いやあ、良い風だあ、涼しいなあラブ
って、なりますよね。

できればこの涼しさに、
アユも身を任せていたいのでしょうが・・・

朝、瀬のごはん、大方食っちまったら、
明日のおまんまにありつくためには、
他のエサ場を探しておかなきゃならない―。
でしょ!?

そこでアユが目指すのは上流です。
明るい内に上流へ移動して、
新しいエサ場&縄張りを探します。
これが「夕のぼり」です。

が、場所が分からないですよね。
そんな時に川の流れを想像すると、
泳ぎやすいのはどんな場所ですか?

ガンガン強く流れてる場所よりは、
チャラチャラ流れて泳ぎやすい場所を泳ぐ―。

そんな場所は、チャラ瀬とか、
瀬脇のタルミ・・・
そんな所を登っていくので、
そこにおとりを入れると、

おっ、お前もか!!
そうはさせないぞ怒り

と、先手を打ってちょっかいを出します。
で、掛かっちゃう・・・

そんな時間帯によるアユの行動を読んで、
誰が言ったか分かりませんが、
朝瀬・昼トロ・夕のぼり・・・

この言葉が定着したんだと思います(^_^)v

友釣りという、循環の釣りだからこそ、
アユの生活を知って、
永く楽しもうって云う、
サスティナブルな釣りこそ、
アユの友釣りです




 







2021/07/13 9:06:01|その他
当分釣りは自重かな・・・
今日7月13日は、新暦のお盆の初日です。
山梨県内でも、今夜迎え火を焚いて、
ご先祖をお迎えする地域や、宗派の方々は、
割と多いのではないでしょうか。

因みに自分の家は、旧暦のお盆―。
即ち、8月13日に迎え火を焚きますが、
昨年の投稿で、確か秋のお彼岸の折に、

盆や彼岸には釣りはしない―
そんな事を記したと思います。

殺生を伴う活動なので、
ご先祖の魂が、草花花に、てんとうむしに、鳥に、
魚に・・・宿るとするのなら、
やはり、この期間だけは釣りはしない―。
と、決めて過ごしています。

昨日も島根や鳥取の各地で、
大雨の被害が広がり、
秋田など東北にも広がってしまいました。

だけでなく、
日本の各地でゲリラ的な雷雨雷が降り、
冠水や、停電の被害も出ていますよね。

川も大幅に水かさを増して、
濁流となって流れています。

やはり、この様な状況では、
海でも、ましてや川でも、
当分釣りは、自重した方が良いでしょう。

思えば、自宅近くを流れる、
釜無川・武川・塩川・・・
などの峡北エリアの川では、

アユ釣りの解禁以降、
雨ばかりで、コロナ禍も影響してか、
アユを釣る人を、殆ど見ていません。
川もずっと濁っています。

早く梅雨明けして、
真夏の太陽の下で、アユ釣りも、
他の魚釣りも、楽しめますように・・・自信まんまん

 







2021/07/12 9:06:01|読み物
不定期連載 第二弾 『やどかりくんのお引っ越し』T
昨年のコロナの自粛中に書いた、
オリジナルの童話。

『バッスくんのなみだ』では、
誤解と偏見だらけのブラックバス問題
なんとか一石を投じたくって書いたものです。

今日から紹介させてもらうのは、
オリジナル童話の第二弾です。

これから夏休みに入ると、
海水浴や、磯遊びなんかにお出かけになる人が、
きっと増えて来ると思います。

特に磯遊びでは、
生き物探しが楽しいですよね(^_^)v

中でも人気者は、
やっぱり、カニとヤドカリかなあ・・・
なんて思っています。

ところで、ヤドカリの仲間には、
自分の家にイソギンチャクをくっ付けて、
共生するものがいます。

棘皮生物のイソギンチャクと、
節足生物のヤドカリが、
互いに生き延びる為に、
ある日、突然めぐり会います。

どちらも、幼生期はプランクトン生活であり、
大海原の宇宙に解き放たれた、
小さな星屑が、奇跡的に出会う訳です。

そんな奇跡的に出会った、
やどかりくんと、イソギンチャクのチャックが、
このお話しの主人公です。


ご存じの通り、ヤドカリの家は貝殻ですが、
成長に合せて、時折、借りた家を引っ越します。

自分の生涯の相棒として、
チャックを選んだやどかりくん
でしたが、
今の家は自分の体には、もう窮屈です。

引っ越しをずっと考えていましたが、
なかなかチャックに言い出せないでいました。

なぜって、ひょっとしたら、
チャックとお別れしなくてはならないかもしれない―


そんな不安がやどかりくんを悩ませます。
が、ある日、
思い切ってチャックに、引っ越しを打ち明けます。
この日しかできない・・・。

やどかりくんが選んだ引っ越しの日は、
ずっと慕っているあの存在に、
アドバイスをもらったからでした・・・

それでは、今日からまた不定期に、
連載して参ります(^_^)v

では、オリジナル童話の第二弾、
『やどかりくんのお引っ越し』の、
はじまりはじまり〜!!


やどかりくんのお引っ越し

1・チャックくん起きて!

コンコン・・・。 コンコンコン・・・。
ある波のおだやかぁな朝の潮だまり。
とつぜん、おしりをたたかれたような感覚 に、
イソギンチャクのチャックは、
びっくり して目を覚ましました。

「なんだよ。こんなに朝早く!」。
「ねえねえ。チャックくん起きてよ」。

誰だってこんなに静かな朝に、
寝床がとつ ぜん揺れたら、
地震だと勘違いしてしまいま す。

チャックは怒った声で、
あいぼうのやど かりくんに言いました。

「当たり前だよ。地震だって思ったよ」。

「ごめんよチャックくん。
 実は、キミにお 願いがあるんだよ」

「お腹がすいたよ。後でいいだろ」。

チャックは、眠りをじゃまされた事に
ちょ っと腹を立てています。

「今日はとっても海が静かなんだよ。
 だか ら、今聞いて欲しいんだ」。

― って、やどかりくんは、
とても申し訳な さそうにしています。

だけど、すごく真剣な 声が、
寝床の下から聞こえて来たのです。

「なんだよ。お願いって?」

あまりにも真剣な声に、
さすがのチャック も気になって、
やどかりくんの話しを聞く事 にしました。

「実はね、今の家がせまくなっちゃたんだ よ。
だからさ、もっとおっきな家に引っ越し たいんだ」。

「えーっ。キミが引っ越したら、
 オレはど うなっちゃうんだよ。だいいち、
この家にオ レをくっつけたのはキミじゃないか」。

「だから、相談しているんだよ。
チャック くんは、ぼくの大事な友だちだもの」。

「これか らもずっと一緒にいたいから、
 引っ越しを手 伝っておくれよ」。

「でもオレは、キミの家にくっついている んだぜ。
何もできないよ」。

「だけど、目はぼくより高いところにある じゃないか」。

「ぼくは、家を背負っているから 遠くが見えないんだよ」。

「そりゃあそうだよな。
じゃあ、オレは何 をすればいいんだい?」。

「これから、新しい家を探しに行くんだ」。
「うん。それで?」

「ここから、ふたつ先の潮だまりに、
たく さん素敵な貝があるみたいなんだ」。

「だから、 高いところで危なくないように
 道案内をして 欲しいんだよ」。

二つ先の潮だまりっていうのは、
そんなに 遠くはないのだけれど、
二つ目の岩がとって も高いのです。

余りにも高いので、
今まで越 えられたやどかりはいないって、

ロッククラ イミングが得意な、
岩ガニのゲンさんから聞 いた事があります。

「おいおい、あそこは危ないよ」。

チャックは、ゲンさんから聞かされた事を、
やどかりくんに話しました。

チャックは、や どかりくんと一心同体なので、
気が気ではあ りません。

「大丈夫。これから潮が満ちて来るんだ」。
「今から出発すれば、
 磯の半分は海に沈んで乗 り越えられるよ」。

やどかりくんは、
しっかりとした口調でチ ャックを説得しました。

根拠はわからないけ れど、
自信もあるようです。

やどかりくんの そんな説得を聞いて、
チャックは頭の触手を バッと広げて大きく深呼吸すると、

やどかり くんに言いました。
「随分と自信があるみたいだけど、
 その理 由を聞かせてくれるかい?」

「それはね・・・」。

やどかりくんは、
思いっきり家から体を乗 り出して話し始めました。


今日はここまで。
次回もお楽しみに!!