車の運転が好きだ。 かつては陸続きのところなら、あくまで車で行きたいという気持ちだった。 仕事を終えて、近所を少し歩いてみたいという心理も働く。 もちろんまとまった休みでも取れればそれはそれで自分の興味関心で出かける。
高速道路を飛ばすのが好きだ。 自動車マニアではないし、余裕もないから、特別な車に乗るわけではない。 その普通の車で、カーステレオ、カーラジオと共に、西へ東へ車を走らせて(ここじゃそれしかないが)、遠景近景、季節の推移などを眺めるのがとても好きだ。 古い知人ゆかりの地を通りながら、旧友を思い出したり偲んだり、とりとめもなく次々に想念が浮かぶのに任せている。 覚えておいてメモでもしておけばよかったというような鮮やかな考えが浮かぶこともあるが、たいていは煙草の煙のようなはかないものである。 しっかりと考え続けた訳ではないから、メモしておいても、使い物にはならないだろうと思う。 このぼんやりした、しかも様々なことを浮かべては沈める時間が好きである。
かつては何時間運転していても平気だったし、楽しかった。 今も腰痛の問題がなければ「どこまーでも行こうー」とムッシュかまやつの古いコマーシャルソング口ずさみながら何時までも運転していることだろう。 それとも最近のトラックのCMか。
5カ月もの入院の間辛かったのは、病院の館内から一歩も出られないことだった。 人や車の行き交う明け方や夕間暮れの街を見下ろして、我が愛車はどうなっていることだろうと思うのは辛かった。
外気温を示す数字も、ずいぶん下がってきた。 それでもまぶしいくらいの日差しが車内に差すこともある。 紅葉の鮮やかな地もあるが、枯葉が路面やフロントウインドウに舞い散ることも多い。 目的のない車での遠出はこれからも止められそうにない。 今日は点検と共に冬タイヤにかえておこう。
年賀状のデザインを、さて、どうしようか? |