夢を育むお手伝い。    HOOK(フック) かんきょう 『協育』事務所へようこそ!!

HOOK(フック)とは、釣り針のことです。 子供たちが思い描く夢や希望を、 質の良い自然体験活動と、環境教育のワークショップなどを通じて育てることを支援させて戴きます。 大切な子供たちは、たくさんの人たちの「協力」があって健全に育ちます。 是非この『協育』に、お手伝い下さい。
 
2020/10/14 8:24:23|活動報告
戻って来た環境講演会(イルカのKちゃんのパワー)

今年上半期の殆どのお仕事が、
このコロナ禍でなくなってしまって居りました。
行けなくなってしまった、
八丈島の過去のトピックを連ね、
ブログの体裁をなんとか保って来ました。

一時は『廃業』さえも、頭をよぎる中で、
懸命にもがいていました。
そんな中にあって、
ようやく8月から仕事が戻って来ました。
開催者の都合で、
このブログの更新もできないで居りましたが、
先日、開催者様から成果物が届きましたので、
戻って来た活動の報告をさせて戴きますね。

ブログの更新が滞っている間にも、
閲覧戴いていた皆様に、改めて感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。

さて、やっぱり最初に戻って来たのは、
長く一緒に活動している、
『イルカのKちゃん』との、環境講演会でした。
しかも、昨年度には実現ができなかった、
中学生を対象とした講演会を、
させて戴く機会を得たのです。

そんな貴重な機会を戴いたのは、
県内でも小中高の一貫校として、進学率も高い、
駿台甲府中学校様です。

甲府市が主催する、
「環境教育プログラム」の、一環として、
8月2日に、同校にある大きな多目的ホールにて、
1年生の「理科」の、授業として、
講演会をさせて戴きました。

実は、この講演会の直前に彼らは、
プラスティックについて学習をしたばかりで、
更に学びを深めたいとの、
学校側の意向も反映しました。

その前に、余りの会場の広さに圧倒されてしまい、
いつも以上に緊張してしまいました。
しかも、授業の運営を生徒さんが行ってくれて、
進行の司会から、当方の世話までして戴き、
更に緊張していました。

が、こうした折角の機会、
精一杯お伝えしようと、気合いも入りました(^o^)

冒頭で自己紹介をさせて戴き、
先ずはKちゃんの絵本の読み聞かせから入りました。
絵は、大きなスクリーンに投影しました。

その内容に、次第に引き込まれていく様子が、
壇上にも伝わって来て、
メモを取ってくれている、生徒さんもいました。

朗読後、少し感想を拾いながら、
「実は、実際の映像もあるんだよ」と、伝え、
小学校等ではできなかったKちゃんのDVDもお見せし、
その痩せ細っていく姿に、
涙を浮かべてくれた生徒さんも、
いらっしゃった様です。

様です―。と、云うのは、会場が広くて、
その場では気付けなかったのですが、
成果物(写真)として戴いた感想文の中に、
気持ちの大きな動きがあった事が書かれて居り、
改めて、Kちゃんの持つ強いパワーを感じたのです。

そしてKちゃんを苦しめた物が、
プラスティック製の釣り糸であった事に着目し、
自分が釣り人であり、
釣り具を売っていた者でもあるので、

実際に釣り糸を使って、強度の実験をしてみました。
これも、講演会でさせて戴いたのは、
本当に久しぶりのことでした。

相手が中学生だと云う事もあって、
よりリアルに、釣り糸の強さや素材について、
実感して欲しい思いもあったので、
敢えて、この実験も含めてさせて戴いた事を、
本当に有り難く感じました。

そして、海洋プラスティックゴミについて、
生徒さん達と、意見を交える機会も戴けました。
彼らは、とても真剣に考え、
しかも、きちんと自身の意志をもって、
問題提起も、実際に自分達ができることも、
更にはもっと広く、
表に向かって呼びかけていくことについても、
堂々と意見を述べてくれて感動してしまいました。

伝えることが主体であった講演会に、
意見を交わし合う時間まで盛り込めた事は、
自分にとっても、非常に意義深いものでした。

授業の後、副校長先生より、
授業の感想を賜り、
生徒さんがあれほど集中して聴いていた、
講演会はこれまでなかった―。
との、お褒めの言葉も賜り、
是非、来年も・・・。と、
リピートのお言葉まで戴き、本当に嬉しかったです。

今、学校から届いた、彼らの感想文を、
一人一人、読ませて戴いて居ります。
さすがに中学生です。
字も丁寧に書かれているものが殆どで、
彼らの気持ちの動きや意志が溢れています。
イラストを添えて下さったものもありました。

副校長先生は、この講演会を、
「種蒔き―」と、評して下さいました。
彼らの心に、
一つ一つの種を蒔いていてくれたと・・・。

そして、この講演会が更に、
同校の小学校にも波のように広がっていきました。

小学校の授業については、また後日お知らせ致します。
本当にありがとうございました。

尚、この講演会の模様は、
駿台甲府中さんのホームページにも、紹介戴きました。

お詫び:写真が不鮮明で申し訳ありません。


 







2020/08/20 8:54:00|その他
海洋道中アーカイブス20 でっかい体験30年を超えて・・・
海洋道中の日々や、島の風景、
頑張っていた子ども達の姿・・・
キラキラした思い出の数々を、
アーカイブスとして綴って来ましたが、

20日目の今日で、一応区切りにしようと思います。
海のない山梨の子ども達が、
八丈の島の大自然の中で、
でっかい体験を続けているうちに、
30年を超える凄い事業となりました。
自分が関わり始めて、既に18年の月日を重ねました。

今では、過去の参加者のお子さんが、
ここ数年、増えています。なので、きっと間もなく、
自分が指導した子のお子さんも、
親子で海洋道中を体験してくれる事でしょう。

30周年の時、過去の指導者もベースキャンプを訪れて、
本部テントに、粋なメッセージを添えてくれました。
積み重ねた日々は、まさに感謝の日々―。
そして、本当に多くの方達に支えてもらって、
今があるのです。

コロナ禍で、一度止まった時間ですが、
再び、来年のでっかい体験に向けて、
きっと力強く動き出してくれたでしょう。

八丈島は情けの島―。
八丈島は、心のふるさとでもあります。

きっと来年、また八丈へ・・・
そのためにも、
このコロナ禍の一日も早い終息を祈っています。







2020/08/19 15:19:02|その他
海洋道中アーカイブス19 パッションでカンパイ(かっちゃんの夏)


2017年度は、海洋道中が始まって30回目の夏でした。
そして、この夏ににボランティアリーダーの、
集大成で望んだ学生が居ました。
2班を率いた、かっちゃんです。

かっちゃんの最初の夏は2009年―。
中1の時に、初めて八丈に来ました。
そして、2015年―。大学生になったかっちゃんは、
ボランティアリーダー(以下VL)として、
海洋道中に戻って来ました。

2015年は、ヘッドカウンセラー自分も、
初めてその重責を担う事となり、
リーダー探しには、本当に苦労をしました。

前年のリーダーが幸い2人残ってくれたのですが、
なかなか残り3名が決まらず、
自分が過去にカウンセラーを務めていた班の中で、
目立たなかったけれども、
懸命に頑張っていた彼の事を思い出し、
依頼の電話をしたのでした。

正直、彼は最初の海洋道中では、
苦い経験をしていました。なかなか班がまとまらず、
サバイバルでも、思い描いていた満足感は、
得られなかった―。と、振り返っていました。

そんな、宙ぶらりんな経験は嫌だ―。
自分がVLになって、素晴らしい体験をしてもらいたい。
そんな強い思いでVLになってくれました。

が、1年目は、痛恨の道間違えをしてしまいました。
見事に歩ききったのですが、悔しさが残りました。

2年目は、途中まで素晴らしいペースだったのですが、
なんと班のメンバーがビバーク地に忘れ物―。
それを、班の総意でみんなで取りに戻りました。
が、八重根でペースダウン。脚が止まってしまったのです。
それでも、歯を食いしばってゴール。
この時、彼のタイムマネージメントを、
指摘した人がいました。

ヘッドカウンセラーの自分は、
彼の勇気を讃え、マネージメントを指摘した方にも、
「だったら、あなたが歩いてみますか!?」
そう返しました。歩いてみなきゃ分からない―。
サバイバル踏破は過酷なのです。
歩いてもいない大人が結果だけで、
ジャッジした姿勢が、
自分にはどうしても納得できませんでした。

しかも彼は、靱帯を前年から痛めていました。
それでも、苦言を敢えて呑み込み、
自分のせいだ―。と、リベンジを誓ったのでした。

そして、30周年の節目となった2017年の夏。
靱帯の傷も癒えて、
満を持してサバイバルに臨んだのです。
班長は1年生でした。
でも、かっちゃんは班長の良さを見事に引き出し、
1番でベースキャンプに戻って来たのです。

あの時のかっちゃんの笑顔は、
子ども達以上に輝いていて、カッコ良かったです。
そして、ベースキャンプでの祝杯は、
情熱の味、パッションフルーツジュースでの乾杯!!
疲れた体にスッと染み込んでいきました。


2015年のかっちゃんの班の班長だった子が、
2019年、VLになって戻って来ました。
あの時の、かっちゃんの姿や姿勢に憧れて、
VLに志願してくれたのです。

かっちゃんが海洋道中に残した功績は、
自分より輝いています。
そして、社会人になった今でも、
我々を支えてくれています。

こうして、大人が若者に刺激され、共に成長し、
海洋道中はこれからも続いていくでしょう。






 







2020/08/18 13:59:39|その他
海洋道中アーカイブス18 八丈は星の産地★
ベースキャンプだけではなく、
八丈の夜は、本当に素晴らしい星空が、
我々を待っていてくれます。

余計な灯りがないので、
山梨でも見ることが難しいたくさんの星々が、
満天の空を輝かせるのです。

その星たちに、我々はどれだけ癒やされ、
自分が自然の一部であることを、
実感させられたでしょう。

天気が良ければ、その素晴らしい星空を、
毎日満喫できるのですが、
時には、そんな余裕さえない時もあります。
でも、だからこそ、見守ってくれている観を、
体中で感じるのです。

ベースキャンプに段ボールを広げて敷いて、
夜空を見上げれば、流れ星が飛び交い、
天の川の流れまでもが、手が届きそうなほど、
間近に見えるのです。

台風接近で、急に帰らなければいけなくなった、
あの時の星空は、涙にかすんでいたかもしれない。
でも、ずっと我々に優しい空なのです。

八丈は星の産地★
今日は横間ヶ浦の星空を、
ご覧ください。







2020/08/17 11:16:18|その他
海洋道中アーカイブス17 海洋道中でのゴミ処理
例えキャンプではあっても、
やはりゴミは相応に出てしまうものです。

海洋道中の取り組みの中で、
我々が最大の目標は、
「来た時よりも美しく!!」です。

ですから、ゴミの量を減らすために、
分別は勿論、他にも様々な取り組みをしています。

例えば、燃えても害のない紙類のゴミは、
薪への着火に使います。
割り箸が出た際も着火材にします。

ペットボトルは中を洗浄し、
ラベルとキャップを分けます。また、プラ製品は、
表示に従い分別します。

食事の際に出る生ゴミについては、
極力、食べきれる分だけ炊いて、
残飯を減らす努力を怠らず、
食材も食べきる・使い切るを、
基本に残食自体を無くす取り組みを続けています。

こうした取り組みをずっと続けていると、
ゴミが不自然な場所にあることについて、
子ども達が、違和感を覚えるシーンも度々出てきます。

2018年度の海洋道中では、こんな事がありました。
スノーケリングで使わせて戴いている海岸から、
少し離れた岩場が多い場所に、
多くの漂着ゴミを見つけた子ども達―。

自主活動でスノーケリングをする子ども達の中から、
「どうしてもあのゴミを拾って綺麗にしたい―」と、
問題提起があると、多くの子どもが同調し、
この年は、スノーケリングじゃなく、
ビーチクリーンをしようと言う流れになりました。

これを島の方に話すと、
先ずこのゴミがあった事に対して子ども達への謝罪と、
「ぜひ、お手伝いしてください。」と、
協力の意思を示して下さいました。

これは、指導者側から何のアプローチをした訳ではなく、
あくまでも自発的なアクションだったのです。
環境への意識が、確実に広がっている事に感動しました。

が、あいにく台風の接近で、自主活動そのものが、
中止となってしまった為、
この活動は実践には至りませんでしたが、
これこそ、環境教育の真たるものだと思いました。

プラスティックゴミなどによる海洋汚染を、
これ以上悪化させないために、派手なことではなく、
出来ることをコツコツ続ける事―

それこそが最も求められているのではないでしょうか。
子ども達の意志の力に感動した夏でした。