出発のしんがりは3班になりました。 リーダーは、ありちゃんです。
中1で、この海洋道中に参加して以降、 ずっとVLになる事を夢見て来た子です。 誰よりもVLになりたかった子なのですが、 やはり彼女を推薦するには、 心配な事が多過ぎて、なかなか踏み切れなかったのです。
それは、余りに純粋過ぎるからです。 人から聞いた事は、全部信じてしまうくらい純粋で、 しかも、天然!? って、思うくらい、こうした野外活動に対して、 応用が利くタイプではないからです。
それでも、なかなか女子リーダーが見つからず、 強い気持ちを信じて、声を掛けました。 やはり研修でも、 上手くいかなかった事が多かったのですが、
彼女のイチバンの取り得は、とにかく憎めない事。 まあ、ありちゃんならいいかっ―。って、 笑って許せる明るさを持った子なのです。
ですから、他のリーダー達も、放っては置けず、 彼女に良く声を掛けてくれていて、 めげずに頑張る姿に、目を細めていました。
実は彼女がVLに決まると同時に、 「覚悟を持って臨みなさい―」と、伝えました。 VLは、正直辛い仕事です。 「楽しむ余裕はきっとないよ」とも、伝えました。
きっと3班の子ども達は、 このリーダーはみんなで守ってあげよう―。って、 思ったと思います。
だから関係性も、まるで兄弟姉妹みたいでした。 そんな9人兄弟姉妹が、今日から50キロの旅に出る。 指導者の誰もが、そんな気持ちで、 ありちゃんを見送った事でしょう。
頑張れ3班!! 個性的なメンバーが多いだけに、 大きく化けるかもしれません。
とびきり明るい足取りで出発していきました。
こうして、それぞれの班が、 それぞれの足取りで、 サバイバル踏破の長い道のりを歩き始めました。
さあ、我々もパトロールをしながら、 しっかり支えないとね!!
|