夢を育むお手伝い。    HOOK(フック) かんきょう 『協育』事務所へようこそ!!

HOOK(フック)とは、釣り針のことです。 子供たちが思い描く夢や希望を、 質の良い自然体験活動と、環境教育のワークショップなどを通じて育てることを支援させて戴きます。 大切な子供たちは、たくさんの人たちの「協力」があって健全に育ちます。 是非この『協育』に、お手伝い下さい。
 
2014/12/06 21:03:00|活動報告
フィールド観察授業 (母なる川への帰還 鮭の一生を見つめる1)

いやあ、師走に入った途端に、寒い日が続きます。
皆さま、体調管理にはくれぐれも、お気を付け下さい。
かなりご無沙汰の更新であります。
何卒、ご容赦下さい。

さて、当方が講師に赴いている、
妙高の専門学校の、後期の担当授業が始まりました。

その一つに、一年生ほぼ全員と、
野生生物保全学科の2年生が受講する、
『フィールド観察』の、授業があります。

昨年までの後期授業の内容は、
10月に干潟に近い環境での、
ベントス(底生生物)調査を行って居りましたが、

今年度は、兼ねてより実施を熱望していた、
日本海への鮭の遡上の観察授業が、
その川の漁業共同組合様のご協力により、
ついに実施できる運びとなり、
11月21日の金曜日に、念願が叶いました。

ここでは敢えて、K川と記す事に致します。
K川は、学校から1時間程で到着できる川なのですが、
毎年、この川へ多くの鮭が、
長い旅の終焉を迎える為に、帰って来る母なる川です。

現地に着いて川を覗き込むと、
もう既に鮭の姿を、たくさん見る事ができました。
母なる川へ戻って来る目的は、ただ一つ。
そう。産卵して、種の命を繋ぐ事―。

只それだけの為に、ここへ帰って来るのです。
そして、産卵を終えると、
鮭は、全ての力を使い果たし、一生を終えるのです。

しかし、そんな鮭の生態は知ってはいても、
なかなか間近で、その姿を見る事はできませんから、
自分も含めて、大半の学生も、先生も、
初めての体験です。

川底には、既に命絶えた個体が、
静かに身を横たえていたり、
またある個体は雌に追尾して、
産卵を促したりしている光景が、
直ぐ目の前で展開されている様は、
只々、神々しくて、涙するほど神聖な姿です。

自分も学生達に、状況を説明しながらも、
目はその姿に釘付けでした。

暫く、そんな姿を観察した後、
漁協の方達が川に入り、投網で鮭を捕獲する、
『鮭漁』を、見せて戴きました。

但し、ここからが大事なのですが、
川で鮭を採捕する行為は、
国の法律である『水産資源保護法』や、
都道府県の条例である、『(内水面)漁業管理規則』で、
厳しく禁止されている為、
一般の人は、絶対に採捕してはならないのです。

このK川の漁協でも、
採捕を許されている方は、僅か10名なのだそうです。
当然、命絶えた個体であっても同様で、
違反すれば、罰金や、懲役刑も適用されます。
知らなかったでは済まされないので、
釣りなどで採捕する事は、
それが『調査』として、
認められている河川以外では、
絶対に慎んで下さい。

さて、網を打つと、早速、
2尾のつがいが掛って来ました。

雄は体に婚姻色が浮き出て、
皮は硬く黒ずんで、上あごが下あごに被さる、
いわゆる「鼻曲がり」に、なります。

雌のお腹は、ぷっくりと膨らんで、
その中に、いっぱいの卵(イクラ)を抱えています。

やはり、種を永久的に保存、保全していく為には、
全て自然の力だけでは、
余りに天敵が多すぎて、難しいのです。

人が関わり、管理することで、
鮭は守られ、また再び、この川で生まれ、
この川へ帰って来るのです。

鮭の旅は、おおよそ四・五年なのですが、
中には、七年もの歳月を経て、
戻って来る個体もあるそうです。

K川を出た鮭は、日本海を北上し、ベーリング海に達し、
そこで、体力を蓄えながら、
母なる川へ戻る事に備える訳ですが、
海洋部では、当然「鮭漁」は、認められて居り、
母川回帰率は、僅か0.3%なのだそうです。
単純に、1000尾居て、3尾しか戻って来れないと云う
正に命がけの旅であり、
今日ここで観た鮭たちは、そんな凄い旅を、
この母なる川で終えるのです。

悠久の昔から変わらない、この自然の営み―。
そして、それを支え、保全する人間―。
こうして、命が次の世代に繋がって行く事を、
正しく実感できた授業となりました。

次回は、種苗を守る為の、
K川の漁協の取り組みなどについて報告致します。
暫し、お待ち下さい。

写真は上から、
1枚目・・・母なる川に戻って来た鮭たちの姿、
      見えますか?

2枚目・・・鮭の採捕 (投網が広がっています)

3枚目・・・採捕された個体 上が雌。下が雄

4枚目・・・目の前で繰り広げられる雄姿に皆、感動!!







2014/09/16 21:58:14|その他
やまなし少年海洋道中 2014レポート 10 (君たちあればこそ)

皆さん、今日の昼間の地震には、
きっと驚かれた事と思います。

山梨での震度は、ほぼ3でしたが、
結構グラっと来ましたし、
ゴーッっと、云う様な地鳴りも聞こえました。

何にせよ、日頃からの備えが必要ですから、
慌てずに行動して下さいね。

では、再び海洋道中のレポートに戻ります。
期間中の報告は、これで終わりになるので、
区切りとして、この事業の最大のヒーロー達を、
紹介させて下さい。

子供たちの身近で、いつも支援し、
善き理解者として支え続ける、
5人の学生ボランティアリーダー達です。

この事業は、本当に彼らの活躍がなければ、
絶対に成り立たない事業でもあります。
子供たちの気持ちに寄り添い、
最も信頼できる、兄弟・姉妹の様な存在が彼らです。

ボランティアリーダーになる条件は、
先ず、学生であること。
そして、期間中及び、研修に必ず参加できること。
これが必須条件ではあるのですが、

彼らがリーダーになった動機は様々です。
過去に、参加者としてこの事業に参加して、
リーダーとして、再び戻って来た者。

個人的な繋がりの中で、声を掛けられ興味を持ち、
リーダーの大役を買って出てくれた者。

そして、一度リーダーを体験して、
自らのキャリアアップ、スキルアップのために、
リーダーを継続してくれる者・・・。

とにかく、彼らの現地での日々は多忙です。
班によっては、子供たちとの関係を築くのに、
時間が掛ってしまう者もいます。

それでも、懸命に子供に向き合う事で、
信頼を築いていきます。
その姿は、毎年とても美しく、
誇らしげに見えます。
きっと、自身が成長している事に気付くからでしょう。

そんな彼らと共に過ごす時間は、
とっても刺激的で、魅力的です。

どんなに歳を重ねても、ずーっと、
リーダーと、参加者の距離は一緒で、
直ぐに八丈で繋がる事ができるのです。

そんな彼らに最大限の感謝を、
そして、希望に満ちた将来を、願わずにはいられません。

今年も、本当にありがとう。

君たちあればこその海洋道中だよ。

写真は上から

一枚目
乗船前の底土港にて、N氏と団長を囲んでパチリ

二枚目
レセプションの夜
子供たちに思いの丈を伝えたリーダーたち

三枚目
無事に竹芝桟橋に到着!!
万感の思いを込めて円陣を組んだ5人でした。







2014/09/15 20:54:09|活動報告
やまなし少年海洋道中 2014レポート 9 (橘丸離岸)

三連休の最終日、いかがお過ごしだったでしょうか?
今日は「敬老の日」。
人生の先輩方を敬い、
そして、家族の絆を確認する日です。

海洋道中もまた、多くの先人の方々が、
ご苦労と努力と、知恵と、
子供達への深き愛を集めて、今のプログラムがあります。

毎年、我々が歌う、海洋道中『愛のテーマ』は、
八丈島で、子供たちが体験する日々を、
まんま歌詞にしてあります。
だからこそ、体験が身体に、心に、
歌声とともに沁み込むのです。
とっても素敵な曲です。

ところで、台風11号の影響で、
一日早い、「離島の日」を、迎えましたが、
我々を乗せて帰る橘丸の出船時間は、
当初の予定より早くなり、
朝の予定がバタバタとなりました。

離島式も、いつもだったら、
少しのんびりできる底土港での時間も慌ただしく、
急かされる様に、橘丸に乗りこみました。

来る時には乗れなかったこの船、
かめりあ丸に比べて、先ずは大きい。
そして、当然ですが広くて、綺麗です。
船室もフラットで新しく、ビックリしました。

自分の席に荷物を降ろして、
真っ先に向かったのはAデッキ。
7日間お世話になった八丈島に、
お別れを告げるのです。

岸壁には、お世話になった方々が、
皆さん見送りに来て下さっています。

「また来るね〜!!」
大きく手を振って、感謝の気持ちを伝えました。

船が大きいだけに、離岸はゆっくり慎重です。
橘丸が、ゆっくり、ゆっくり、
岸壁から離れ、東京に向けて進み出しました。

島では「さよなら」は、言いません。
その代わり「おもうわよ」と、伝えます。
「またいらっしゃい、いつでも思ってるよ」
そんな意味の言葉です。

そして、見送る人の姿が、
小さくなって来た時、
今度は、ボート隊が追い掛けて来てくれました。

あらん限りの力で手を振って、
「ありがとう!!」って、声を出し続けました。

子供たちにとっても、
ここが、第二のふるさとになったのです。
だから、「また来るね〜!!」
この瞬間が、とても愛おしいですよね。

御蔵島・三宅島の辺りは、既にうねりが5メートル。
台風は、やはり確実に近付いていました。
途中、明日の欠航が決まり、
我々は、滑り込みセーフで、
家族の待つ山梨へ帰る事ができたのです。

写真は上から

一枚目
お世話になった方々に力いっぱい手を振りました。

二枚目
追い掛けて来てくれたボート隊にも・・・

三枚目
橘丸を追い掛けて来てくれたボート隊








2014/09/14 21:15:38|その他
やまなし少年海洋道中 2014レポート 8 (今、心からの感謝を込めて)

今年度の海洋道中で、
大きな大きな存在が、「けじめ」との事で、
この事業から、勇退される事となりました。

この海洋道中が、八丈島で初めて行われたのは、
昭和63年。そして、現在は平成26年―。
そこから実に四半世紀の時を経て、
27年間ずっと、この事業を支えて下さったN氏が、
有終の美を飾られました。

自分が関わらせて戴いて、今回が12年目ですから、
まだまだN氏の半分にも満たないのです。
初めて自分が指導者として八丈に来る事になった年、

まだ、野外体験指導者としては、
駆け出しのひよっこだった自分を、
厳しく、そして温かく育てて下さいました。

子供たちとの関わり方、距離感、指導のノウハウ・・・
自分は、全てN氏を見本にして頑張って来ました。
少しずつ自分も、
独自性を持って仕事ができる様になってくると、
今度は見守りつつ、鍛えて下さいました。

N氏から学んだ事は限りなく、
今の自分の糧となりました。

先発隊で一日早く八丈に入った夜
かつての島の担当者の殆どの方々が、
ベースキャンプに来て、N氏との旧交を深めていました。

島でもN氏を知らない方はいないと思います。
それくらい、八丈との絆を強固にして下さった、
最大の功労者なのです。

そして、今年の海洋道中の最後の日。
乗船前に、感謝のセレモニーが行われました。

八丈の花である、
大きなストレッチアの花束が、
やはり、島の最大の功労者である、
O様から、N氏に贈られました。

そして、子供たちにも餞の言葉をかけて下さいました。

初めて八丈に来た時の船は、「ストレッチア丸・・・」
そして、今年から新造船「橘丸」に、なったのも、
ひとつの時代の象徴かもしれません。

27年間の、この月日の重さを、
これからもずっと、大事に、大事に重ねていく・・・
それが、ご恩に報いるための、
最大の責任であると感じています。

本当に、本当に、27年間ありがとうございました。
心からの感謝を込めて・・・
次のステージへ向かって・・・


写真は上から
前担当のYさんから、
八丈島民代表として感謝の言葉がありました。

この事業の最大の功労者である、
初代の島の担当者様のo様の奥様から、
見事なストレッチアの花束を・・・

そして、子供たちへ餞の言葉を掛けて戴き、

抜ける様な空の下で、参加者全員で記念撮影
八丈富士もくっきり見えて、
N氏に感謝してくれている様に見えました。







2014/09/13 22:04:35|活動報告
やまなし少年海洋道中 2014レポート 7 (ひと味ちがうレセプション)

今日から、秋の3連休が始まりました。
皆さまのご予定は、いかがでしょうか・・・。

引き続き、今年度の海洋道中の、
レポートを続けます。

キャンプ7日目―
自主活動を中止として、
朝から始った、ベースキャンプの撤収作業。

良く晴れていたので暑かったのですが、
風もあって、うってつけのお天気。

一日早く、このベースキャンプともお別れです。
子供たちは、皆と協力し合いながら、
来た時よりも手際よく、
そして、来た時よりも美しく、
ベースキャンプに感謝の気持ちをを込めて、
元に戻していきました。
テントサイトだけではなく、
周辺のゴミも自ら拾い集めて居ました。

その後は、おまちかねの『ふるさとタイム』
お風呂とお土産が待ってます!!

湯船に浸かると、子供たちでさえ、
「あ〜〜っ」と、思わず声が出てしまうんだよね(笑)

最後の夜に、毎年泊めて戴く地元の公民館も、
急に決まった撤収だけに、
利用する団体さんもあって、例年通りの、
さよならレセプションはできませんでした。

いつもの夜なら、
フロアで「焼きそば」パーティーなのですが、
この日は、外でおにぎり弁当。
でも、班のみんなと外でお食事ってのも、
なんだかとっても、新鮮で良かったし、
おにぎりが美味しかったなあ!!

八丈太鼓も、いつもより短縮バージョン。
それでも、子供たちから何人かは、
実際に打たせて戴きましたよ。

そして、お待ちかねのスタンツ発表となりました。
各班ごとに趣向を凝らしたスタンツは、
とっても楽しくて、とっても感動しました。

自分も担当した班の子に、
スタンツの途中で前に呼んでもらって、
感謝の言葉を贈って戴いて、
凄く嬉しかったのです。

スタンツの後は、
やっぱり、この歌で締めくくらなきゃ・・・
だよね〜!!

海洋道中「愛のテーマ」主題歌の、大合唱!!
ぼくたちは忘れないあの日々を♪
仲間と過ごした八丈の夏・・・

一度歌えば、参加者だったら、
直ぐに覚えちゃうのです!!

写真は上から、1枚目
4班のスタンツでは、
リーダーと指導者に、感謝の言葉をプレゼント
ありがとう。

2枚目
7人で頑張り通した1班のスタンツは、
ユーモアたっぷりの演出!!

3枚目
男子オンリー5班は、最後まで元気印!!

4枚目
大トリは、やっぱりリーダー達のスタンツ
やんやの喝采でした(^v^)v