サバイバル踏破の2日目。 ゴールのベースキャンプを目指して、 全班とも、ほぼ時間通りにビバーク地を出発しました。 今日も暑くなりそうです。
さすがに若いというのは、素晴らしいもので、 昨日あんなに歩いたのに、子供達の足取りは、 割と軽やかです。
今日のコースは昨日と逆で、 1・5班は、大坂トンネルを下り、 八重根〜南原千畳岩を抜けて、 永郷道路〜BCと云うコース
2・3・4班は、末吉から、登龍峠へアタックし、 底土に降りて、BCと云うコースです。
が、やはり、うまくいきそうで、 そうならないのが、やはり、 このサバイバル踏破のドラマなのでしょう。
リーダー2年目の、1班のだいちゃん、 2班のなあちゃんは、 さすがにペース配分を間違えませんでしたが、
3班では、昨日と同じ子が熱中症でダウン。 急遽、パトロールカーで旧末吉小まで走り、 ケアにあたりました。幸い、教室を開放して戴き、 クーラーのある部屋で休ませて戴いていました。
氷を持参し、動脈を冷やそうとしたのですが、 クーラーが効いているので、冷やし過ぎになると判断、 本人に聞いて、一度、BCへ戻って休んでから、 後で合流しようか・・・。と、聞きました。
小学校の職員の方は、クーラーが効いてるから、 こっちで休んだ方が良いって、 おっしゃって下さいました。
が、このままここで休んだら、 たぶん、合流はできまい・・・ それを含んだ言葉で、どうしたい?って聞くと、 みんなとゴールしたいから、 一度戻ると言って来ました。 彼女の意思を確認し、他のメンバーと、 リーダーに了解をもらって、一度BCへ戻りました。
4班は、登龍峠での昼食で、 うっかり、ラーメンの封を解いて、 展望台からの絶景に見とれてしまい、 その後、ラーメンを作ったら、黒いゴマの様な物体が・・・ なんと、ア○さんを一緒に茹でてしまったらしく、 それでも「食わなきゃもたん・・・」と、 なんとア○入りラーメンを、全員で食したとか!? 「虫キライ」と、騒いでいた連中が、 すっかりワイルドに変貌し、 「ほどよい酸味・・・」と、笑って話す姿に、 逞しさを感じてしまいました(笑)
でも、もっともっと、過酷なアクシデントが、 最長距離を歩く5班に起こりました。
あるメンバーの足の状態が芳しくない・・・。 と、判断した5班のリーダーかっちゃんは、 南原を乗り切るために、八重根漁港で長く休憩をして、 少し近道をして、南原に出ようとしていました。 が、空港付近で道を間違えてしまい、 なんと、三根(みつね)の方へ歩いてしまったのです。
途中、海が出て来ない事に気付き、 対応に苦慮し、本部に相談して来ました。
そのままその道を歩いて来れば、 BCは目と鼻の先・・・。だから、 そんな選択肢もあった訳ですが、
メンバー全員が間違いを認めたうえで、 正規のルートに戻って歩かせて欲しい― と、訴えて来たのです。
しかし、それを待てば、 BCへの到着は暗くなってしまいます。 急遽、対応が協議されました。
そして出した結論は、 間違えてしまった分の距離だけ車で正規ルートに戻って、 そこから歩かせよう―。と、そういう決断でした。 あくまでも、ちゃんと歩き通したいと願う彼らでしたが、 全体を考えて、その案を呑んでくれました。 カウンセラーのかっかが、 どうか近くで励まさせて欲しいと訴えて、 そこからは、かっかを含んだ12名で歩きました。 5班の結束力は、 歩を進めるごとに強くなった事でしょう。
その事を知らされていない他の班は、 ほぼ予定時間通りにBCへ戻って来ました。 どの子の顔も達成感に満ち溢れ、実にいい表情でした。
代表者の感謝の言葉もとても立派で、 団長さんからの労いの言葉を、しっかり聴いていました。 そして、差し入れを受け取ると、 今度は、とても子供らしい素直な表情で喜んでくれ、 ああ、いい体験ができたんだなあ・・・。 と、指導者も嬉しさを、ゴールの度に共有していました。
5班を除く全班がゴールした後、 なかなか戻って来ない5班に、 あちらこちらで、心配の声があがっていました。
そして、かんとくから、先ず他の4人のリーダー達に、 5班の状況が伝えられ、その後、 全員にそれが伝えられました―。 そして、暫くが経って・・・
「おーい!!」 ふいに崖の上から、5班のメンバーの声が響きました。 そこは、BCの真上の都道―。 かなり時間も挽回して、5班がそこまで戻って来ました。
「みんなで、5班を迎えてあげよう。頑張りを讃えてあげよう」 そんなリーダーの呼びかけに、全員が直ぐに動きました。 ゲート前で他のメンバーが全員でアーチを作り、 「がんばれ」 「もう少しだぞ」と、叫んでいます。
それは、とてもドラマティックで、 感動的なゴールでした。
もう辺りが薄暗くなりはじめた午後6時過ぎ、 5班がBCへ戻って来ました。 それをハイタッチで迎える他班のメンバー達。
涙と笑顔で顔がくしゃくしゃになってる子もいれば、 満面の笑顔が弾けている子、 力いっぱいに拍手を送り続ける子・・・
過去にも素晴らしいゴールは多かったのだけど、 これほどまでに、団全体で喜びを分かちあったゴールを、 見せてもらったのは初めてでした。
本当に素晴らしい、美しいこのゴールの瞬間を、 ずっとこれからも、語り継いでいくことでしょう。 子供達全員に、感謝したい―。そんな瞬間でした。
この日の夜の生還報告会が、 実に素晴らしかったことは、言うまでもないでしょう。
写真は上から 1枚目 道を間違えても尚、必死に歩き通した5班が、 ついにBCに帰って来ました。
2枚目 団全員でアーチを作り、 ハイタッチで5班を迎えました。
3枚目 ついに、感動のゴ〜〜ル!! 最後のテープを切りました
4枚目 5班全員でパチリ!! どうです。彼らの顔立ち立派でしょ!?
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