生還報告会の後で、 団長さんから、子供たちに伝えられたのは、 とても大事なお話し・・・。
それは、この八丈島に、台風5号が接近中であること―。 そして、それに伴って、 大きな決断をしなければならなくなったこと―。 と、前置きしながら、ゆっくりと、 丁寧に言葉を選びながら話し始めました。
台風5号は、あさって(8月8日)に、 最も八丈島に接近するだろうという予報が出ていて、 そうなると、本来の予定であった閉村の日(テント撤収)が、 できなくなってしまう可能性が高いこと―。
テントを張ったままにはできないので、 明日の自主活動を中止とし・・・ と、すでに子供たちは動揺しはじめました。 耳を疑ったように、「えっ!?」と、 短い声がもれた後、下を向き、なんとか 団長さんの話を、じっと聴くように努めています。
なぜなら、自主活動は、 子供たちが自分がやりたいことを、 自ら企画して体験できる。 とても、スペシャルな企画だからです。
スノーケリング、釣り、八丈富士登山、 そして、サイクリングをしながらの八丈島探訪・・・etc 自分が指導を担当する「釣り」の、希望者も、 女子も含めて14名もいて、この日が来るのを、 本当に心待ちにしてくれていました。
けれど、自主活動も大事なのだけれど、 もっと大事なのは、無事に山梨へ帰ることです。 なので、まさしく我々指導者も、「断腸の思い」で、 この決断を下さなければいけませんでした。
自主活動担当のかりまーも、 涙で子供たちにその思いを伝えました。
頭では理解できていても、 なかなか心は、その現実を受け入れてはくれません。 けれど、自然には抗うことはできず、 その決断も、覆ることはありません。
そして、自主活動の中止に伴って、 明日からの活動の変更も伝えられました。
まず8日の予定であった、 テント撤収を前倒しにして、 お風呂に入って、山梨で待っている、 家族や、お友達へのお土産を買う「ふるさとタイム」を、 7日にやってしまうことになりました。
そして、夜は、もともと八丈の仲間との交流会だったので、 そのまま今年は、三根小学校の体育館で、 バイキング夕食をみんなで食べて、 その後は、レクで盛り上がることにしました。
そして8日は、中止になってしまった自主活動の代わりに、 「八丈学習の日」と、することになりました。 この企画は、八丈島の歴史や、文化や、産業など、 各班がそれぞれテーマを持って、 先ず島からお借りした資料をもとに「調べ学習」をし、 その後、テーマに沿った施設などに、 直接出向いて、八丈島の事をもっと知ろう!! そんな目的で行う事になりました。
そして、最終日は、 船ではなく、安全第一で、飛行機で帰る事になりました。
八丈学習の日では、 島の教育委員会の最大のバックアップを戴いて、 バスまで手配して下さる事になったのです。
自主活動の中止はどうにもならないけれど、 でも、自分たちのために、 本当に心を砕いて、新たな企画をさせてもらえる―。
子供達の表情までは、暗くてわからなかったけれど、 少し、安堵してくれた様です。 顔をあげて、前を向いて、しっかり聴いてくれました。
残された日々を一生懸命に楽しむ― さあ明日から、 台風が我々に与えた試練を、みんなで乗り越えよう!!
そして迎えた7日は、 次第にうねりが強くなる海を見ながら、 BCを撤収しました。時折スコールが襲って来ましたが、 今日までの感謝を込めて、テントをたたみ、 かまども土に戻し、来た時よりも綺麗にして、 BCを来年の後輩たちのために整備しました。
ふるさとタイムでは、 たくさんのお土産を買いました。 そして、推薦をして下さった、校長先生に宛てて、 感謝の絵葉書を綴りました。
夜の交流会も、とても盛り上がっていました。
いよいよ「八丈学習の日」 まだ風は強かったものの、台風一過の晴天でした。
2つのグループに分かれて、 それぞれの班のテーマに沿った施設を、 見学し、学びを深めました。
どの班もすごくリラックスできていて、 訪問先では、積極的に質問もし、 より深く八丈島のことを知り、 そして、更に八丈島が大好きになったことでしょう。
この豊かな1日は、きっと子供達の記憶にも、 深く残っていくでしょうし、我々指導者もまた、 この一日の過ごし方が、贅沢に思えた時間でした。
写真は上から
1枚目 リラックスしながらも、調べ学習をしっかりやってます!(^^)!
2枚目 こんなルートで、各グループは島を周りました。
3枚目 島の主産業である「黄八丈織り」の、工房を訪ねました。 意外なことに、八丈とアイヌ民族の繋がりも知りました。
4枚目 広大な植物園を持つ、八丈ビジターセンターで お決まりの1枚です!!
ビジターセンターでは、光キノコや、 「八丈島のきょん!!」を、見てきましたよ |