夢を育むお手伝い。    HOOK(フック) かんきょう 『協育』事務所へようこそ!!

HOOK(フック)とは、釣り針のことです。 子供たちが思い描く夢や希望を、 質の良い自然体験活動と、環境教育のワークショップなどを通じて育てることを支援させて戴きます。 大切な子供たちは、たくさんの人たちの「協力」があって健全に育ちます。 是非この『協育』に、お手伝い下さい。
 
2018/11/05 11:11:11|活動報告
西湖畔でクニマスワークショップ!!

11月は霜月ですね。
朝晩、めっきり寒くなりました。
紅葉も盛りかな!?
そろそろ終盤戦の所もあるでしょうね(^u^)

さてさて、
久しぶりに大好きなクライアントさまから、
嬉しいオファーを戴いて、
やって来たのは、富士五湖のひとつ西湖畔―。
ご夫婦揃って友人の、
NPOハッピービレッジさんです。
このブログでも、
以前に何度か活動をお伝えしましたね(*^_^*)

西湖と言えば、云わずと知れた、
「奇跡の魚(うお)」の、クニマスが、
棲息している唯一の湖です。

以前、地元の小学校で、
一度、クニマス授業をさせて戴いて以来です。

9月の下旬、自分が他の用事のついでに、
お2人のご自宅に、ふらっと寄らせて戴いたのですが、
急に引越しされたとかで、今度のお家は、
前のお家の、割と直ぐ近くでした。
その時、
「また、ああいうの一緒にやりたいですねぇ・・・」
って、お互いにそんな気持ちを話していたら、

暫く経って連絡を下さって、
「今度ウチで地元の子が来て自然教室するから、
タイソン、あれやってよ〜!!」
って、何とも粋な計らいで、
オファーを戴きました!!

そして過日、秋のいい日に、
久々にハッピービレッジさんで、
ワークショップの開催と相成りました。

自分の出番は午後からで、
午前中は、ご夫婦で西湖畔にある、
クニマス展示施設の見学に行って戴いて、
よ〜く、クニマスちゃんを観察してもらった後で、
お手製の巻き紙芝居で、「クニマス物語」の、
一節を披露して戴いて居りました。

遠い秋田県の田沢湖から、
はるばるクニマスがやって来た経緯を、
西湖の竜宮伝説と、
田沢湖の辰子姫の伝説と絡めて語った紙芝居で、
これが、本当に巧くできていて、
ワークショップの展開にはうってつけなのです。

午後、自分がお邪魔すると、
待っててくれたのは、地元の小学生5人組。
男の子が3人、女の子が2人です。

でも、彼らのお家はどっちかって云うと、
本栖湖や、精進湖の方が近いんだって・・・
けれどいっつも一緒に遊んでいるから、
みんなきょうだいみたいに仲良しです!!

早速、彼らが待っててくれてる間に、
描いていてもらったクニマスの絵を、
自己紹介しながら見せてもらいましたよ。

みんな凄くしっかり見て来てくれたようで、
クニマスの特徴を、
ちゃんと捉えていましたよ(^v^)/

なので、自分も家から描いて来たクニマスの絵で、
自己紹介「タイソンで〜す!!」

その後、紙芝居の内容を思いだしてもらって、
その感想を聴きました。
クニマスは、元々、
秋田県の田沢湖の固有種であった事―。

当時の国の方針で、田沢湖に玉川温泉の、
水が注ぎこまれる事になって、
一部の卵が、この西湖にやって来た事など、
しっかり話してくれました。

そこで、
「じゃあ、なんで西湖で生きて来られたんだろうね」
って、質問をして、思った事を、
幾つも、書き出してもらいました。

どっちにも龍が居たから・・・
そんな子どもらしい発想も、凄く大事です。
伝説と云うのは、何か守らなければならない、
大切な地域の「宝」を、ずっと引き継ぐ為に、
こしらえたお話しが多いので、
信憑性もあるんですよ。

そして、みんなで一緒にその理由を考えて、
生きものの、「進化」や、「適応」に、
ついて考えました。

子ども達はエネルギー全開で、
外でできなかったのがチョッと残念でしたが、
また今度、違う形で一緒に遊ぼうね。
って、約束して来ました。

秋の素敵な出会いになりました。
はっぴー!!

で、どうやらその約束も叶いそうですよ。
これから冬に向かって行きますが、
継続でやろうって云う事で、
理事長から、改めてオファーもいただきました!!

ありがとうございました(^◇^)/

写真は上から
1枚目  子どもが描いてくれたクニマス。
    体色も、鰭の位置も、脂ビレもある・・・凄い!!

2枚目 これも上手に描けてますよね〜・・・感心!!

3枚目 開催したのは理事長宅
   紙芝居が後ろに見えてるの分かりますか?

4枚目 タイソンの説明をちゃんと聴いてくれました!!
    ありがとう!!







2018/11/03 8:57:03|活動報告
実践インタープリテーション2『水辺の環境教育学』今回は・・・

さあ、いよいよ11月に突入しました。
今日は文化の日。素晴らしい秋晴れですね〜。

さて、妙高にある専門学校での、
2回目の担当授業が、10月31日(水)にありました。
で、今回のテーマはと云うと、『水生昆虫』です。
ひと口に水生昆虫と云っても、非常に多様で奥が深く、
また、まだまだ分かっていない謎も多い生きもの達です。

その多様で難解な生きものに対して、
どの様な形でインプリを実践するのか・・・
それは、一つの決まったスタイルなどなく、
インタープリターの知識と、経験値の中で、
想像、創造され、そのパーソナリティーと共に、
子ども達やゲストに伝えられます。

前の週の授業で、相棒の先生から、
水生昆虫についての基本的な「知識」が、
既に伝えられていて、それを持って、
今回の実践授業として行いました。

教室に入っていきなり、
「今日って何の日?」
「ハロウィンですか?」
「では、あの言葉をどうぞ・・・」
「トリックアトリート!!」
「ハイ、ではお菓子をどうぞ・・・」
って、1つづつチョコレートをプレゼント。
「じゃあ、チョコっと食べて頑張ろう!!」
おやじギャグですね〜(^u^)

「実はね、自分が日曜日にある水辺で見つけた、
  ヤツの絵を描いて欲しいんだよね〜」
と、A3サイズの裏紙を配って、
「だって、結構、インパクトが強いヤツだから、
 イメージを話すから、チョッと描いてみて」

と、云ってある水生昆虫をイメージしながら、
話して描かれた絵は、傑作!!
もちろん、本当にいるモデルはあるんだけれど、
こんなヤツがいるかもしれないよ。

これ、全てが前振りのインプリなのです。

お絵描きの体験の後、
今日の展開に入る前に、
前回の淡水魚の各自のインプリについて、
自分以外のメンバーについて、
長所を褒めるのではなく、
課題をしっかり指摘して、
建設的に厳しく、
批判的に優しく評価して下さいと、伝えて、
他者評価と併せて、
自己評価も書いてもらいました。

自己評価と、おおよそ他者の評価には、
そんなに差が無いとは思いますが、
中には意外な指摘もあった様で、
こちらが簡単な事だと思っていても、
他者にとっては、意外に難しい事―。
に、なるケースは多いものです。

ましてや相手に知識や経験が少なければ、
全てが難しく、そこに楽しさは想像しにくいものです。
だからこそ、より知識ではなく、
体験を通して感じてもらう能力―。
それがインプリなのではないでしょうか・・・

その後、前回の授業の復習で、
水生昆虫のどんな事、どんな習性、
どんな虫?に、興味が持てたか聴いてみました。

結果は当然、三人三様でしたが、
では、その興味を持った事を、
アクティビティーにして体験しよう―。
と、云うのが今回の課題です。
そこから、発表にむけて準備が始まりました。

準備時間は、およそ1時間。
その中で、ゲストに楽しさやワクワクする期待感が、
伝わりそうな虫インプリを考えてもらいました。

それにはある程度、
知識部分の裏付けもなけねばならず、
前回の授業のメモを見たり、
資料として持って行った図鑑で確認させたり、
学生達は、頑張っていました。

そして発表!!
先頭を切ったKくんは、興味を持った、
「虫食」の事、
ランチに水生昆虫を食材にするとしたら、
どんな料理を作ろうか・・・
そんな感じで、虫を使った中華風ランチを、
イメージしました。
こんなんどう?って、みんなで決めたのは、

餃子とワンタンスープ、
そしてゴマ団子が付いた中華セット!!
みんな中に見えない様にして仕込む―。
そんな発想になりました。

うーん、このアクティビティーは、
この学校のメンバーならできても、
普通の人に、虫食べましょう!!は、
引かれちゃうかもよ・・・
確かに世界中で、色んな昆虫食はあるけれど、
日本では、限定的でしょう。

続いてHくんのアクティビティーは、
水生昆虫のカードと、
川をイメージしたマップを用意。

上流部と思われる所にキレイ
中流部には、フツー
下流部には、汚いと記してあります。

じゃあ、その虫カードを、
その虫が住んでるだろう場所に戻してあげて・・・
と云う問いかけでスタート、
その姿と形と、名前から生息地をイメージします。

でも、その虫の生息地は、果たして・・・
名前がチョッとダーティーでも、
意外にキレイな水を好んだり、

これはキレイな場所に住んでそうだと思っても、
意外に汚くても住んで居たり、
生物指標を後で語るには、
楽しいアクティビティーとして使えそうです。

最後のHさんは、準備が間に合わず、
こんな事したかった―。
と、イメージを伝えてくれました。

それは、フルーツバスケットって知ってますよね。
あの要領で、参加者は水生昆虫の絵やカードを持ち、
リーダーがヒントカードの様な物を持ち、
それを一斉に伝えて、みんなが動く―。
と、云うもの。これ、絶対面白そうだから、
さっきのカード使ってやってみようよ。

ってことで、Hくんのカードを拝借。
自分が思いつくままヒントカードを作って、
こんな感じかな?って、やってみました。
3人なので盛り上がりはイマイチでしたが、
これきっと大勢でやったら、楽しいよね!!
その発想にインタープリターとしての、
素質は十分、備わっていましたよ。

あとは、みんながみんなまだ真面目に、
愚直に、正しく、やろうとし過ぎていて、
ワクワク感に欠けてしまっている事を指摘しました。
それは、最初の評価の時にも、
自分からも相手からも指摘されていた事。
でも、それを補うのは経験と、
本物に触れてみることだよね。

体験第一、説明は後・・・
知るより感じる事が大事・・・
楽しさこそ学ぶ力なり・・・
もっと自分で楽しまなきゃね。

あの真面目さの殻を、
水生昆虫の様に自分で破って、
羽化できたら、きっと羽ばたける!!

今の彼らは幼虫期間。
さあ、美しい成虫になって羽ばたける様に、
最後までこの授業、頑張ろうな!!







2018/11/01 9:08:07|その他
お疲れさまでした!!

この直前の記事で、
今年の「金川の森体験フェスタ」の、
ご報告をさせて戴きました。

本当に大成功だった訳ですが、
この成功の要因は、
お天気が最高で、
たくさんの人が来てくれたから・・・
だけでは、ありません。

何と云っても今回は、
スタッフに恵まれた事が大きいんです!!
レポートの通り、
海洋道中のVLメンバー4人が、
快くサポートに応じてくれたからこそであり、

そこに、インターンの学生くんも、
すんなり打ち解けて、
素晴らしいコラボが実現したからだろう。
って、凄く感謝しています。
改めてこの場を借りて、
お礼を言いたいと思います。

貴重な休日を使って来てくれて、
本当に嬉しかったし、楽しかったです。
お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

一日を通して、お客さんが途切れることなく、
ブースを訪れてくれたのには、
きっと、「あそこで面白いことやってるよ」
って、口コミもあったろうし、
何より、看板娘の2人を始め、
若い子が凄く楽しそうにやってるから・・・
って、云うのが大きかったと思います。

それに、海洋道中での経験を活かして、
みんな子ども達との接し方が、
凄く自然で、丁寧で、明るかったから、
どんどん集まってくれたと思うよ。

残念ながら、
一足早く社会人になったなっちゃんは、
当然、来られなかったんだけど、
この記事をどっかで見てくれるといいなって、
思っています。
なっちゃんも、同じ空の下で、
仕事頑張ってるんだろね!!

それに、この日が初対面だった、
いっせーくんとも、
前から知ってたかのように仲良くなって、
彼からも、来年リーダーになりたい宣言も、
もらっちゃいました(*^_^*)
ねっ。一緒に連れて行けるといいなあ!!

最高の秋晴れの下で、
最高のスタッフと一緒に活動出来たからこそ、
この大盛況になりました!!

ブログを私用で使って申し訳ありませんが、
自慢のスタッフ達を、写真でご紹介しますね!!

ありがとー(^−^)/

人文字で書いた字は、
L・O・V・E❤
でした!!








2018/10/31 9:08:07|活動報告
たくさんのご来場ありがとうござました!(金川の森体験フェスタの報告)

秋晴れの空って、
どうしてこんなに気持ちがいいんでしょう!?

雪化粧した富士山、
色とりどりに色付いてくる山並み。
たくさんの色に囲まれて、
気持ちまで「うれし色」に、
染まって来そうです(^v^)v

10月21日(日)も、正にそんな秋晴れでした。
そして、そう。この日は、
金川の森で盛大に行われた、
「金川の森体験フェスタ」の、開催日でありました。

先ずは、兎にも角にも、
たくさんのご来場、本当にありがとうございました!!
素晴らしいお天気に恵まれて、
スタート直後から、本当に大盛況でした。

我ら、HOOKかんきょう『協育』事務所の、
体験ブースにも、たっくさんのお客様!!
嬉しい悲鳴をあげて居りました(*^_^*)

この日は、頼もしい助っ人として、
八丈キャンプにリーダーとして参加してくれた、
メンバーが4人と、自分の活動に興味を持ってくれて、
当事務所でインターンシップの様な形で、
サポートしてくれている学生さん一人を加えて、
5人の大学生が、パワー全開で手伝ってくれました。

先ずはご挨拶代わりのメインアクティビティー、
『どんぐり30個ゲーム』は、花として、
八丈組の、あやとありちゃんの、
女子2人で担当してもらいました。

体験してくれた子どもには、
漏れなく、あの一言で、お菓子をプレゼント!!
「トリックアトリート!!」
かわいい声が、一日中、いっぱい響いていましたよ。

そして、今年初めて実践した、
モンドリ作りのワークショップも、
有料だったにも拘わらず、
1回目から、体験に来てくれましたよ。
このワークショップは、同じく八丈組の、
あしくまと、たくみんが担当。

普段、山梨と言えば・・・の、
あのスーパーで、
レジのバイトをしているたくみんには、
併せてお金の管理をお願いし、

県の名を冠した国立大で、
工学部で学ぶあしくまには、
物作り部長として、
モンドリ作りのサポートをメインにお願いし、

県の東部、上野原にある科学大学で、
生きものと、インタープリテーションを学ぶ、
インターンの、いっせーには、
作ったモンドリを、
園内の水路に一緒に仕掛けてもらったり、
必要に応じて、水辺の生きもの探しにも、
活躍してもらう事にしました。

前の日に仕掛けておいたモンドリに、
見事に沢ガニが3匹かかっていて、
それを見るや、
「やってみたーい」
「作ってみたーい」と、
途切れる事がなくって、
こちらも嬉しい悲鳴でありました。

中には、自分の事を、
何故か「隊長!!」と、呼んでくれる子が居て、
午後の観察会に向けて、
一緒に、生きもの探しもしてくれましたよ。
カワイイ助っ人に、またまた感謝!!

何か見つける度に、
「隊長、カニがいました!!」
「隊長、これは何ですか!?」
と、大きな声で話してくれるので、
あやも、ありちゃんも、大ウケでした(^◇^)/

そして迎えた午後2時からの観察会では、
ほぼ定員いっぱいのお客様!!
賑やかにスタートしました!!

朝作ってくれた子のモンドリが、
ご家族の都合で、一足早く引き上げになってしまい、
作ってくれたモンドリでの収穫は、
チョッと残念でしたが、
さすがのいっせー、
いつの間にか、アブラハヤやヨシノボリを、
捕まえてくれていて、
話のネタは尽きませんでした。

透明の観察ケースに入れたヨシノボリ、
「ほら、裏から見ると、お腹に吸盤があるよ」
そう。ヨシノボリは、ハゼの仲間。
この吸盤みたいな腹びれで、
葦(ヨシ)の茎に登って、
川を上る(ノボル)から、ヨシノボリ!!

水路に落ちた葉っぱが積もった所に多く居たのが、
モンカゲロウの幼虫でした。
モンカゲロウの幼虫にはエラがあるから、
「ほら、お魚みたいにスイスイ泳ぐんだよ」

沢ガニのお腹を見せて、
「さて、これは男の子かな女の子かな?」
そう。女の子のお腹は、
「ほら、なんだかパンツを履いてるみたいだよ」

男の子はね・・・
「パンツの先から、オ○ン○ンみたいのが見えるよね」
って、話したら、
何故かお母さん達にバカ受けでした(^−^)

最後に、
イキイキとしている子ども達の
元気な姿を見てもらいながら、
川で遊ぶ時の注意点や、
あんな風にキラキラしている子ども達の
好奇心を大切に育ててあげて下さいねって、
お願いして、観察会を結びました。

本当に楽しい一日を、過ごす事ができました。
ご来場を戴いた、たくさんのお友達に、
改めて感謝申し上げます。

最後に有料とした体験の総売り上げも報告致します。
出展料を差し引いても、なんと5700円の売り上げ!!
いやあ、ありがとうございましたぁ!!

ブースを撤収して、スタッフみんなで記念撮影!!
今年は若い力に、いっぱい助けてもらった、
フェスタになりました。
ありがとうございました。









2018/10/29 14:55:03|活動報告
後期の担当授業スタート『水辺の環境教育学』インプリ実践!!

もうあと2日で、10月も終わろうとしています。
気が付けば、今年もあと2カ月ですね。

さて、10月17日(水)に、
非常勤として赴く妙高の専門学校で、
今年度、後期になって初めての、
担当授業がありました。

『水辺の環境教育学』として、
自然ガイド環境保全学科の、
2年生を対象に指導して居ます。

昨年度までは相棒の先生と、
それぞれ別の内容で進めて居りました。
が、カリキュラムが大幅に改編されて、
同じテーマで、交互に担当することになりました。

そして、そのテーマは、
『自然ガイド』と、しての、「実践力―」を身につける
インタープリテーション(以下、インプリ)を、
学んでもらう事にしました。

計8回の授業で、インプリの素材を、
「淡水魚」・「水生昆虫」・
「水生植物」・「外来種」の、
4つの生きものにカテゴリーしました。

それぞれの知識部分を、
相棒の先生から伝えて戴いた後で、
翌週の自分の担当回で、その知識を基に、
インプリを実践してもらう―。
と、云うシラバスを組みました。

受講する学生達とは、
前期に別の授業で顔を合わせましたが、
とても大人しくって、どこか頼りなさげ・・・
「自然ガイド」と、しては、
「大丈夫かなあ・・・」と、云う懸念もありました。

しかも3人だけなので、正直我々も、
手探りでそのシラバスを進めていかなければなりません。
なので、相棒の先生とは、
毎回情報を共有して、進める事にしました。

で、1回目の知識教授後のインプリ実践としては、
先ずインプリの定義や、伝え方の基本を踏まえ、
全体の骨子となるテーマを決める事や、
その素材となるトピックを、
理解してもらう事に努めてみました。

結果、手応えはどうであったかと云うと、
充分に、自然ガイドとして、
インタープリターとして、
活躍でき得る人材でした。

彼らと言葉を交わすうちに見えて来たのは、
3人が3人とも、とても真面目な性格であると云う事、
そして、この学校に来ているからには、
自然や、生き物について、
詳しくなければならない―。
そんな、先入観がある様に感じました。
その使命的な先入観に縛られて、
戸惑ってしまっている印象でした。

確かに詳しい知識を持っている事は、
大きな武器にはなりますが、
説明主体になって、
インプリとしては面白みに欠けてしまうでしょう。
単なる自然解説と、
インプリを交えた自然解説とは、
似て非なるものです。

ひと言に「自然が好き・・・」と、云っても、
それが自然に詳しい事には、
必ずしも繋がりません。

自然の中でただ過ごすだけの、
癒しや、気持ちよさだったり、
虫とりをして野原を駆け回った原体験だったり、
大切な記憶だったり、

それは知識ではなく、動機であり、
それこそ、その楽しさを伝える為の、
原動力にほかなりません。
上手に自然を語れなくても、
その気持ちさえ持っていれば、
絶対にできる―。と、確信を持てました。

自然はいつもそこにあっても、
見せたいものは、いつもそこにあるか、
そこに居てくれるか、
そこで咲いていてくれるのか、
全く保証はありません。

知識武装してフィールドに出てみても、
そこにある筈のものがなかったら、
たちまち鎧はズタズタになってしまうでしょう。
大事なのは、その人のパーソナルであり、
それが魅力となって、より印象的に、
ゲストの記憶に刻まれるのです。

テーマ決めの練習として、
「アイディア出しトレーニング」を、
実践してみました。

これは、特に自然とは関係のない絵や写真から、
無作為に質問を投げかけて、
瞬発的に答えや、状況を書かせて、
それを当事者で共有するもので、
同じ物を見ていても、同じ質問をしても、
人によって視点も、気持ちの在り方も違うので、
へぇ〜!!そこ!?って云う様な、
新鮮な発見があります。
それを何度か繰り返し、その多様な気付きに、
驚いた様で、段々と目が輝いてきました。

そして、授業の後半で、
淡水魚についての、インプリを実践してみました。

まだまだ知識を語ろうとし過ぎている観や、
双方向のコミュニケーション―。と、云う定義に、
借りて来た様な、ありきたりな質問をしてみたり、
インプリと云うには、まだまだ遠いものでしたが、
学生達の現状での経験値では当り前な事で、
それよりも、その素直な気持ちが伝わって来たのが、
何よりの収穫でした。

ねばならないを蹴散らして、
ワタシにしか、オレにしかできない、
そんなインプリを目指してみよう!!

彼らの大人しさの理由に、
何となく気付いた、実りのある授業となりました。