さあ、いよいよ11月に突入しました。 今日は文化の日。素晴らしい秋晴れですね〜。
さて、妙高にある専門学校での、 2回目の担当授業が、10月31日(水)にありました。 で、今回のテーマはと云うと、『水生昆虫』です。 ひと口に水生昆虫と云っても、非常に多様で奥が深く、 また、まだまだ分かっていない謎も多い生きもの達です。
その多様で難解な生きものに対して、 どの様な形でインプリを実践するのか・・・ それは、一つの決まったスタイルなどなく、 インタープリターの知識と、経験値の中で、 想像、創造され、そのパーソナリティーと共に、 子ども達やゲストに伝えられます。
前の週の授業で、相棒の先生から、 水生昆虫についての基本的な「知識」が、 既に伝えられていて、それを持って、 今回の実践授業として行いました。
教室に入っていきなり、 「今日って何の日?」 「ハロウィンですか?」 「では、あの言葉をどうぞ・・・」 「トリックアトリート!!」 「ハイ、ではお菓子をどうぞ・・・」 って、1つづつチョコレートをプレゼント。 「じゃあ、チョコっと食べて頑張ろう!!」 おやじギャグですね〜(^u^)
「実はね、自分が日曜日にある水辺で見つけた、 ヤツの絵を描いて欲しいんだよね〜」 と、A3サイズの裏紙を配って、 「だって、結構、インパクトが強いヤツだから、 イメージを話すから、チョッと描いてみて」
と、云ってある水生昆虫をイメージしながら、 話して描かれた絵は、傑作!! もちろん、本当にいるモデルはあるんだけれど、 こんなヤツがいるかもしれないよ。
これ、全てが前振りのインプリなのです。
お絵描きの体験の後、 今日の展開に入る前に、 前回の淡水魚の各自のインプリについて、 自分以外のメンバーについて、 長所を褒めるのではなく、 課題をしっかり指摘して、 建設的に厳しく、 批判的に優しく評価して下さいと、伝えて、 他者評価と併せて、 自己評価も書いてもらいました。
自己評価と、おおよそ他者の評価には、 そんなに差が無いとは思いますが、 中には意外な指摘もあった様で、 こちらが簡単な事だと思っていても、 他者にとっては、意外に難しい事―。 に、なるケースは多いものです。
ましてや相手に知識や経験が少なければ、 全てが難しく、そこに楽しさは想像しにくいものです。 だからこそ、より知識ではなく、 体験を通して感じてもらう能力―。 それがインプリなのではないでしょうか・・・
その後、前回の授業の復習で、 水生昆虫のどんな事、どんな習性、 どんな虫?に、興味が持てたか聴いてみました。
結果は当然、三人三様でしたが、 では、その興味を持った事を、 アクティビティーにして体験しよう―。 と、云うのが今回の課題です。 そこから、発表にむけて準備が始まりました。
準備時間は、およそ1時間。 その中で、ゲストに楽しさやワクワクする期待感が、 伝わりそうな虫インプリを考えてもらいました。
それにはある程度、 知識部分の裏付けもなけねばならず、 前回の授業のメモを見たり、 資料として持って行った図鑑で確認させたり、 学生達は、頑張っていました。
そして発表!! 先頭を切ったKくんは、興味を持った、 「虫食」の事、 ランチに水生昆虫を食材にするとしたら、 どんな料理を作ろうか・・・ そんな感じで、虫を使った中華風ランチを、 イメージしました。 こんなんどう?って、みんなで決めたのは、
餃子とワンタンスープ、 そしてゴマ団子が付いた中華セット!! みんな中に見えない様にして仕込む―。 そんな発想になりました。
うーん、このアクティビティーは、 この学校のメンバーならできても、 普通の人に、虫食べましょう!!は、 引かれちゃうかもよ・・・ 確かに世界中で、色んな昆虫食はあるけれど、 日本では、限定的でしょう。
続いてHくんのアクティビティーは、 水生昆虫のカードと、 川をイメージしたマップを用意。
上流部と思われる所にキレイ 中流部には、フツー 下流部には、汚いと記してあります。
じゃあ、その虫カードを、 その虫が住んでるだろう場所に戻してあげて・・・ と云う問いかけでスタート、 その姿と形と、名前から生息地をイメージします。
でも、その虫の生息地は、果たして・・・ 名前がチョッとダーティーでも、 意外にキレイな水を好んだり、
これはキレイな場所に住んでそうだと思っても、 意外に汚くても住んで居たり、 生物指標を後で語るには、 楽しいアクティビティーとして使えそうです。
最後のHさんは、準備が間に合わず、 こんな事したかった―。 と、イメージを伝えてくれました。
それは、フルーツバスケットって知ってますよね。 あの要領で、参加者は水生昆虫の絵やカードを持ち、 リーダーがヒントカードの様な物を持ち、 それを一斉に伝えて、みんなが動く―。 と、云うもの。これ、絶対面白そうだから、 さっきのカード使ってやってみようよ。
ってことで、Hくんのカードを拝借。 自分が思いつくままヒントカードを作って、 こんな感じかな?って、やってみました。 3人なので盛り上がりはイマイチでしたが、 これきっと大勢でやったら、楽しいよね!! その発想にインタープリターとしての、 素質は十分、備わっていましたよ。
あとは、みんながみんなまだ真面目に、 愚直に、正しく、やろうとし過ぎていて、 ワクワク感に欠けてしまっている事を指摘しました。 それは、最初の評価の時にも、 自分からも相手からも指摘されていた事。 でも、それを補うのは経験と、 本物に触れてみることだよね。
体験第一、説明は後・・・ 知るより感じる事が大事・・・ 楽しさこそ学ぶ力なり・・・ もっと自分で楽しまなきゃね。
あの真面目さの殻を、 水生昆虫の様に自分で破って、 羽化できたら、きっと羽ばたける!!
今の彼らは幼虫期間。 さあ、美しい成虫になって羽ばたける様に、 最後までこの授業、頑張ろうな!! |