師走になって、めっきり冷え込んで来ました。 皆様、どうぞ体調を崩さない様に、お気をつけ下さいね。
さて、専門学校の年内の担当授業も、 無事に先日、終了致しました。 なので、今年最後となった授業を、 科目別に報告させて戴きたいと思います。
最初は、野生生物保全学科の2年生に指導している、 「水辺環境学」の、授業から・・・。 昨年は、この学科の学生が1名のみだったこともあって、 なかなかワークショップ形式の授業が難しかったのですが、 今年度は3人となったので、 初回から、ワークショップを取り入れながらの授業です。
今回(11月29日)は、 「日本の魚食文化を支える漁業の在り方」と、題して、 私達が普段何気なく食べている魚は、 どこからやって来ているのか、 その中で、日本の漁業の現状はどうなのか・・・。 そんな事を考えてもらう為の授業でした。
海に囲まれた日本に居ながら、 何故か、食べている魚の多くが、海外から輸入されています。 それをビジュアル的に感じてもらう為に行ったワーク。 それが、「食べている水」と、云う、 プロジェクトワイルド(PW)の中のアクティビティーです。 授業用にアレンジして実施しました。
先ず用意したのが、 学校近隣にあるスーパーマーケットのチラシ。 ここから、産地が海外の魚介類を見つけて切り取ります。
切り取ったら、テーブルの上に大きな世界地図を広げて、 地図に貼り付けて行きます。
エビは、東南アジア方面から来てるね。 カニは、ロシアがほとんどだよ。 サーモン類は、北米とチリからも・・・ モータリアって何処?タコが来てるよ!! サバなんて国内だと思っていたのに、 ヨーロッパ産が殆どじゃん!? しかも、価格は日本の魚と変わらないか安いよ!!
そんな気付きがたくさん出て来ました。 そうです。私達は、近くの海にいる魚さえも、 遠く海外から仕入れ、それを消費しています。 いかにも日本の魚の様な名前なのに、 全く日本には居ない魚も多いのです。 これじゃ、日本の魚が売れないのは当たり前です。 そして、後継者もなかなか育たない日本の漁業は、 どんどん衰退していく現状を目の当たりにしました。
こうしたワークで互いに学び合い、 気付きをシェアすることで、考察が深まっていきます。
日本の漁業は、今後どうあるべきなのか―。 どの様にしたら、日本の漁業が持続可能になるのか―。 海洋生物の保全と漁業は、密接に関わっています。
これから、野生生物の保全や保護の活動に関わる事を、 目指している学生達だからこそ、 伝えたいメッセージでした。
今度、周るお寿司屋さんとか、スーパーに行った時、 チョッと、その魚のこと、別の視点で、 考えてもらえると嬉しいですね。
写真は、3枚ともワーク中のものです。
注:当方はプロジェクトワイルド(PW)の、 上級指導者であるファシリテーターの有資格者です。 |