全国で休校措置が解除されて、 最初の週末を迎えました。 子ども達の様子はどうでしたか? やっぱり、なんだかんだで学校は楽しい場所です。
九州の特定エリアで、 感染の第二波が起こってしまって、 改めての休校措置がなされた事は、 やはり非情にショックでしたが、 一日も早い再開を祈っています。
ところで、2020年度の教育指導要綱には、 小学生に、より主体的な学びとして、 会話を通じての「学び合いの授業―」の、位置付けで、 皆さんも、一気に聞く機会が増えたと思いますが、 『アクティブラーニング』の、導入が明記されています。
が、新年度になった途端のコロナショックは、 「密接」に語り合い、結果、「密集」になりがちな、 会話さえも制限してしまいました。
何気ないお喋りさえ規制されては、 子ども達にとっては、 ストレス以外の何者でもないでしょう。
しかも、ソーシャルディスタンスで、机は離され、 そんな状況下で、 会話を伴う『アクティブラーニング』だなんて、 やろうだなんて無理!! いくら要綱に書いてあっても、無理なものは無理―。
そんな判断で、動いていらっしゃる学校さんも、 きっと多い事でしょう。仕方ないですものね。
それに対して、子ども達に会話を求めて、 『アクティブラーニング』を、実践しようと、 取り組まれていらっしゃる学校さんも、あるようですね。
そんなニュースが、 ラジオで流れているのを、偶然に耳にしました。 当然、映像も見ていませんので、 軽々に発言できる事ではありませんが、
その会話を子ども達にしてもらうために、 「2分で話しあおう!!」って、指導をしたと、 ニュースでは、読まれていました。
前記した通り、会話で起こり得る「密」な、 環境を避けるという配慮の元で、 アクティブラーニングの推進をする為の、 工夫であったでしょうし、 それ自体を批判するものでは決してないのですが、
たったの2分で話しをまとめる事、 大人の先生方、果たしてできますか?
ましてや、ずっと会っていなかった同士が、 例え仲良しであったとしても、 2分で問題解決できますか? 冷静に考えても、そんな事は無理ですし、 無茶かと思いますよ。
これは、アクティブラーニングを行ううえで、 非情に陥りやすい現象だと思いますが、 結果としてこれでは、学び合いなどではありませんよね。 どちらかと言えば、話し合いの強要だと感じました。
きっと「会話」を、勘違いされてしまったのでしょうね。 言葉と言葉による相互のコミュニケーションが、 会話であると、認識されているのでしょう。
が、会話は別の手法でもできますよね。 アクティブラーニングでは、様々な価値観や、 様々な物事の理解や解釈を共有する事で、 より個々の子ども達にとって、それぞれに合った、 学び方を模索する事が目的であって、 会話そのものは、その手段のひとつに過ぎません。
会話させる事にのみ注視してしまうと、 本来のアクティブラーニングの意図は、 違う方向へと、進んでしまう事になるでしょう。
こんな事をやってしまうのであれば、 従来通りの知識教授を行う方が、正しい選択肢です。 例えば、今の問題で分かった事、 それから分からなかった事、
どっちも白い紙に書いて、 みんなで掲げて見せ合って、 先生が、素敵な答えや、考え方を見つけたら、 それを、児童に投げかける。質問する。 誰もがヒーローになれる様な、そんな学び合いこそ、 アクティブラーニングの肝ではないでしょうか。
答えを見つけるのが目的ではなくって、 学びの選択の幅を広げてあげることにこそ、 どうか注視してあげて欲しいです。
これまで、答えを教えてあげるのが、 先生に求められる「役割」でしたが、 アクティブラーニングで、先生に求められるのは、 会話の促進、即ち、ファシリテーションなのです。
この休校措置が解除され、 早い遅いはあっても、アクティブラーニングは、 指導要綱に明記された約束なので、先生方は、 全ての授業で取り組まなければならないのですが、 どちらかと云うと、 これまでと勝手が違って苦手ですよね。
教えるでない、課題の投げ方を、 先生方も、実践を通して学んで戴けたらと、 切に思います。 分からない子を作らないことが目的で、 答えの導き方は、人それぞれでいいんです。
学校における環境教育は、 日本では、公害問題から始まり、 これも、どちらかと言えば、知識教授が目的でした。
一方で、学校教育とは異なる、我々の様な実践家は、 ずっとアクティブラーニングに取り組んで来ました。
それは、欧米で広く実践される、 プロジェクト型の学習が、 今の、環境教育の進め方として求められたからでした。 我々実践者が行う指導は、正答に導くものではありません。
どうかどうか、アクティブラーニングを、 誤解されないよう、慎重に取り組んで戴けたら嬉しいです。
このコロナパニックは、非常に多くの問題提起を、 全ての人々に投げかけている事象です。
これを機に大きく教育の現場も、 変わっていかねばならないでしょう。
アクティブラーニングが、 日本の教育の主流となる事を、祈っています。
我々にできることは喜んでお手伝いしますので、 先生方、一緒に学び合いましょう!!
写真は、数年前ある小学校で、 開発による環境負荷を考えた授業のひとコマです。
この日、初めて会った子ども達と私が、 こんなに活き活きと学ぶ姿に、 アクティブラーニングの明日があると思っています。 |