子ども達にとっては、まさに「青天の霹靂」 突然で、非情な通告でした。 しかし、それに反論する術も無く、 受け入れざるを得ない撤収です。
やっとの思いで戻って来た。 仲間と語り合いたかった、サバイバル踏破での、 あんな事、こんな事、 そして、明日は楽しみにしていた自主活動だった・・・ 全ての思いを呑みこんで、 でも、やるしかない。頑張るしかない―。
暗くなるまでは、もう時間もない。 鬼気迫る様なスピードで、撤収作業が進んでいきました。
早く帰って来た班は、自分達のテントを仕舞い終えると、 班を越えて、どんどん協力しあいました。 ペグも、備品もロスはあり得ません。
きちんと数も管理しながら、 一張り、また一張りと、テントが仕舞われていきました。 同時に、自分の荷物のパッキングもしないとなりません。 とにかく、リュックに思い出ごと詰め込んで、 島のスタッフが用意して下さった、 トラックに積んでいきました。
この日は、日曜日―。にも拘わらず、 多くのスタッフの方々が、 撤収作業をサポートして下さいました。
気付くともう周りは真っ暗。 そして、撤収作業が完了。 時間は、午後7時半―。
作業が始まったのが6時過ぎでしたから、 わずか1時間半で、 10張りあったテント全てなくなりました。
例年は、半日かけて行う作業が、 たったの1時間半で終わったのです。 もちろん、指導者の午前からの一部の撤収作業も、 時間短縮の要因ではあったでしょう。
でも、それ以上に、 サバイバル踏破の達成感を、 そのまま撤収作業の団結力に変えて、 頑張った成果が現れたと、云う事でしょう。
そのまま、やはり島のスタッフの方々が、 お休みの時間を割いて用意してくれたバスで、 今夜の宿泊先になる三根小学校へ、 乗せて行ってくれました。
そして、夕食はお弁当と、 サバイバル踏破で頑張ったご褒美として、 こちらも島の方が差し入れて下さった、 島寿司を頬張りました。
やっと落ち着いたところで、 団長から改めて、この突然の展開の、 説明がありました。
悔しいけれど、自然には勝てません。 みんなで帰る為に、 明日、島を離れます。 もちろん、もうお土産も買って帰れません。 でも、それ以上に充実した時間を共に過ごし、 でっかい心のおみやげを持って帰ろう―
子ども達は、それを受け入れてくれました。 そして、またまた島のスタッフの方の粋な計らいで、 役場にあるシャワールームを開放して、 全員にシャワーを提供して下さったのです。
全員がシャワーを浴び終えたのは、 既に深夜でしたが、 こんなに支えて下さる方々がいるからこそ、 この海洋道中が続けられる・・・
さあ明日は、胸を張って山梨に帰ろう!! そして、この八丈の素晴らしさを、 あたたかさを、お父さん、お母さんに、 そして、学校の友達たちに全部伝えよう!!
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