夢を育むお手伝い。    HOOK(フック) かんきょう 『協育』事務所へようこそ!!

HOOK(フック)とは、釣り針のことです。 子供たちが思い描く夢や希望を、 質の良い自然体験活動と、環境教育のワークショップなどを通じて育てることを支援させて戴きます。 大切な子供たちは、たくさんの人たちの「協力」があって健全に育ちます。 是非この『協育』に、お手伝い下さい。
 
2013/02/04 20:08:02|活動報告
西湖のクニマスとクワルビー

今日は立春・・・。
そんな一日は、春雨が降っていました。
このまま暖かくなってくれれば良いですが、
また雪の予報も出ていますね。
寒暖の差が大きいので、
くれぐれも体調を崩しません様、お気を付け下さい。


さて、一昨年、西湖で絶滅した筈の、奇跡の魚(うお)
クニマスが発見されて以降、
ずっと思い描いていた希望が、
ついに叶えることができました。

それは、小学校か中学校で、
クニマスについての、環境学習の授業を行う事―。
まだ、これで全てではありませんが、
大きな、大きな一歩を、踏み出す事ができました。

昨年の秋に、発足に立ち会った、
西湖の歴史や文化を、
次世代に繋いでいく事を目的に立ち上がったNPO。

その、理事長様の情熱に、
地元の小学校の先生が応えて下さって、
当方も、お手伝いをさせて戴く運びとなりました。
しかも、スペシャルなことに、
クニマス発見時に、西湖の漁協長をされていた、
M様も、この授業に賛同して下さり、

1月29日の火曜日に、
理事長と、M様と、当方と3人で、
クニマス授業を行って来たのです。
M様の当時の貴重なお話しも伺えると云う事で、
当方も、凄く楽しみで、
この日を、待ち望んでいたのです!!

希望に応えて下さったのは、
河口湖と西湖を隔てる峠に近い、
西浜小学校さんです。
6年生の授業に呼んで下さいました。

担任の先生から、ご紹介を戴いた後、
理事長から、簡単に我々の活動の紹介があり、
先ずは、理事長が先陣を切って、
クニマス発見の経緯について、
大きな紙芝居で紹介しました。

既に田沢湖の近くの小学生と、
姉妹校となった子ども達ですから、
クニマスの事は、ちゃんと知っていて、
とても詳しいのですが、
今回は、発見者が自らお出まししてくれた訳ですから、
子ども達も、更に興味深々でした!!

紙芝居の後は、
お待ちかねのMさんのお話し・・・。
なぜ、クニマスが西湖で命を繋いでこれたのか―。
そもそも、クニマスが西湖に来たのはどうしてか―。
そんな、当事者だから話せる事を、
子ども達に、熱心に、熱心に、語って下さいました。
これには、自分の方が大感激!!
きっと、子ども達よりでっかい耳になって、
聴き入っていました(笑)

でも、ここには詳しい事は書かないでおきます。
なぜなら、自分で学ぶ事が大事だからです。
情報だけあっても、そこに気付きがなかったら、
クニマスの事は知ることができても、
守っていく事の大切さまでは、伝えきれません・・・。

だから、もしもっと学びたいって希望が聞こえれば、
我々は、きっと喜んで伝えに行きます。

M様の情熱は、きっと子ども達の胸に、
響いたに違いありません。


さて、当方の出番は授業の最後の部分。
M様のお話を聴いて、地元の湖に、
世界的にも稀少な魚が生きている・・・。

その奇跡は、クニマスが、
西湖に「適応」できたから―。に、他なりません。

なので、生物の「適応」や、進化について、
西湖の自然と絡めてお話しさせて戴きました。

ここで、子ども達に紹介したのが、
タイトルにある、クワルビーと云うお魚です。
勿論、この魚は、実際にはいない魚です。
が、西湖の自然環境に適応した魚なのです!!

姿はウナギに似ていますが、実は肺魚の突然変異。
だから、肺呼吸ができるので、
なんと、冬は冬眠するのです。

目は退化して見えないのに、
ルビーの様に深く赤く輝いています。
そして・・・etc

そんな仮説を伝えながら、
西湖で、富士五湖で、こんな魚がいたら嬉しいな、
楽しいな、面白いな、不思議だな・・・。って、
そんな、想像上のお魚を、
描いてもらおうって云う指向です。

でも、単に想像だけではNGで、
ちゃんと、なぜそういう姿になったのか、
説明できないといけません。

魚の特徴であるひれや、
食性や、その習性も、考えてみます!!

残った時間は僅かだったのですが、
子ども達の手は、どんどん動いて、
ユニークな、なるほどな、凄いなあって、
お魚が、続々と誕生しました。

中には、とってもお魚に詳しい男の子が居て、
詳しいからこそ、想像が膨らみ過ぎて、
なかなか描きだせないで悩む様子だとか、
子ども達の発想が、本当に素晴らしくって、
とっても楽しくて、こちらも学べた授業となりました!!

授業の時間内では、完成できなかったのですが、
すぐ翌日には、全員描いてくれた―。
って、嬉しいご報告も届きました。

今度、子ども達が誕生させてくれた魚たちに、
会いに行くのが、また楽しみになりました(笑)

こうした機会を、もっと重ねていけたら、
嬉しいし、ずっと西湖にクニマスが、
生き続けていけることでしょう!!


写真は上から、

珍魚 クワルビー(チョッとキモイ!?)

魚を描く子ども達、手が止まりません!!

ウサギの耳に似たひれを持つこの魚、
実は、切ないペットにまつわる伝説から生まれました。







2013/01/26 21:51:35|活動報告
水辺の環境教育学(イルカのKちゃん)

本当に、この冬の寒さは堪えます(涙)
空気も乾燥していますので、火の取り扱いや、
感染症による体調不良など、
くれぐれもお気をつけ下さい。

さて、すっかり更新をさぼってしまいました。
年が明けて、これが初めての活動報告です・・・汗

非常勤講師で授業を担当させて戴いている、
妙高の専門学校の年度末の授業も始まって居ります。
豪雪地帯の妙高は、既に雪色一色!!
昨年ほどではありませんが、
校舎の周りは、雪で覆われております。

1月17日の自然環境教育学科の2年生に指導している、
『水辺の環境教育学』では、
このブログでも、度々お話しさせて戴いている、
『イルカのKちゃん』(絵本)を、教材に使って、
このお話しの、何を環境教育の題材とし、
どの様な伝え方をする事が望ましいのか、
じっくり、しっかり考える機会と致しました。

が、残念ながら、この日は、学生の一人が、
体調不良でダウン。
しかも、もう一名、体調を崩して居り、
万全な状況での授業ができませんでした(泣)

このイルカのKちゃんは、
御蔵島に生息していた野生の子イルカに、
人間の出したゴミが絡まり死んでしまった―。
と、云う実話を元に絵本が作られ、
同時に実際の映像を記録したDVDも作られました。

著者の田口周一様と懇意にさせて戴いている事で、
当方も、方々で、Kちゃんを教材とした、
環境教育のプログラムや、環境学習の授業を、
開催して居ります。


先ず、学生達には、記録DVDを見てもらい、
続いて、Kちゃんの朗読をしてもらいました。

朗読は、内容の捉え方で、随分と印象が変わって来ます。
学生2名の、それぞれの感性で朗読させ、
その後で、前記した各地の授業の後で、
子どもや保護者の方々から戴いた、感想文や、
お礼の手紙などを、学生にも読んでもらいました。


小学生のKちゃんへの感想は、非常にダイレクトで、
尚且つ、問題点をしっかり指摘出来て居り、
Kちゃんの痛みに寄り添う気持に溢れています。
その感想を読んで、学生達も深く感銘を受けた様です。

そして、最終段階として、
このKちゃんの内容の中で、最も伝えたい事、
伝えなければいけない事、
また、伝え方の手法など、多方面から検討し、
ディスカッションを行いました。

もちろん、明確な答えなどはありませんが、
学生達にとっては、非常に刺激を受けた授業となった様です。

写真は、

1枚目
雪に囲まれた校舎からの雪景色

2枚目
イルカのKちゃん(絵本)

3枚目
子ども達が書いたKちゃんの感想などを、
じっくり読み、感心しまくる学生


4枚目
ディスカッションの内容を抽出した黒板







2012/12/09 22:21:39|活動報告
フィールド観察授業(諏訪湖でワカサギ釣り!!)

いやあ、ここのところ寒さが厳し過ぎますね。
土曜日は積雪でビックリ!!
早々、冬タイヤに交換して来ました。

さて、年内の専門学校の担当授業のラストを飾ったのは、
アスリート学科を除く1年生全員と、
野生生物保全学科の2年生の共同授業である、
『フィールド観察』の、授業でした。(11月30日)

今回は、冬の小さな妖精釣り、
諏訪湖のドーム船を貸し切っての、『ワカサギ釣り』です。
学生達は、早朝5時に妙高を出発、
担当講師である当方と、相棒の先生は、
岡谷と、小淵沢ですから、現地で悠々と待機!!

予定の7時を30分弱遅れての到着でしたが、
聞くと、3名寝坊で置いて来たとのこと(笑)
まっ、早朝だし、しゃーないっ。
それでも、30名を超える学生だと、
モーターボートでドーム船まで3往復!!
船長さん、ありがとうございます。感謝!!!

全員ドーム船に乗り込んだところで、
岡の谷のらんかぁ先生による、ワカサギ釣りのレクチャー!!
仕掛けを張りながら、セットしてって言ってる鼻から、
「あー、絡んじゃったぁ!!」
話しを最後まで聞けっちゅーねん(爆)
って、もうみんな待ちきれないのです!!

と、云う事で、いざ実釣開始〜。
相棒先生と、当方は、ドーム船の前後の角に釣り座を構え、
群れを散らさない作戦をとります。

さあ、直ぐに慣れて一荷を繰り返す学生も居れば、
餌の紅サシに素手で触れず、ピンセットで餌付けする女子、
いきなり仕掛けクラッシュするダメンズ(許せ〜)
黙々と釣果を伸ばす、講師陣と釣り好き学生の面々・・・。
そんな輩が、ドーム船で繰り広げる釣り比べは、
見てて面白いったらありゃしません!!

午前中いっぱいめいっぱい、ワカサギ釣りを楽しみました。
で、釣果の方でありますが、
当方と、相棒先生はいずれも200アップ。
続いて、引率の先生お二人も100アップ。
学生の竿頭が100アップで、
すそが20尾ほどでした!!

けれど、みんなで合わせると、軽々1000アップ!!
豊漁となりました。

こんな楽しい授業だった訳ですが、
ちゃんと学ぶことも忘れません。

全国の湖に、本来、汽水域で生息する、
ワカサギが放流される様になったのか、
観光資源としての利用と、内水面の漁業についての考察、
そして、何よりワカサギと云う魚についてのこと・・・。

釣って、学んで、お楽しみはちゃんと味わって食べること。
きっと盛大なワカサギパーティーになったことでしょう。

それにしても、寝坊の3人は、釣れなくって、
ざんね〜ん!! おすそ分けはもらえたかな(爆)

写真は、

1枚目 ドーム船内の様子。
これだけ乗ってると圧巻ですね。

2枚目 自分の近くで釣っていた女子の釣果。
船酔い気味ながら、結構、釣ってましたよ(笑)

3枚目 大きいジップロックに半分!!
これで、400尾くらいかな。当然、数名の釣果のミックス







2012/12/05 20:22:54|活動報告
エコフィッシング授業その2(お魚料理にチャレンジ!!)

さて、前回もお伝えしましたが、
自然環境教育学科の学生たちには、
エコフィッシングの授業を行っています。
その1は、魚と魚釣りに興味を持ってもらうには?
と、云う事で、各自にアクティビティーを考えてもらいました。

2回目のこの日は、
いよいよ「釣ったつもりで、お魚料理にチャレンジ!!」です。
オリジナルのプログラムでは、
釣った魚で、自分で捌いて、料理して、
食べて、後片付けをする―。
と云う事を、それぞれの要素として取り組むのですが、

授業の中では、「釣る」を、省略し、
自分達で魚を捌いて、食べて・・・。と、
最後の要素までいっぺんに行います。

ですが、他の学生も、先生方もいらっしゃいますから、
折角なので、みんなに味わってもらう―。
と、云う事も、目的の一つに加えて、
「おもてなし」に、ついても実践します。

前回の授業の後半で、
この日のメニューについては、おおよそ決めてあり、
以下が、この日のメニュー、お品がきです。

前菜・・・かますの燻製

汁もの・・・あじのつみれ汁

お造り・・・ 真鯛の刺身

ご飯 ・・・ 鯛めし

と、なって居りました。

加えて、講師の自分も一品添えることにして、
サイドメニューとして考えたのが、

寒い季節だし・・・。
と云う事で、お魚を使ったポトフ
なので、『ギョトフ』と、しました。
全くのオリジナル料理です。
お魚は、クロソイと、ホウボウ。冬の魚の代表格です。

が、メインはあくまでも、学生達の作る食事です。

誰が何を担当するかも、学生達の間で分担してあり、

前菜の燻製は、Sくんが担当

汁ものは、Aくんが担当

鯛のお造りは、Iくんが担当し、
Aくんに、包丁捌きも指南していました。
Iくんの、お父さんは板前だと云う事で、
見よう見まねで、ほぼ魚捌きを覚え、
前期の実習でも、大活躍してくれました。

そして、メインの鯛めしは、3人で分担となって居り、
調理は全て学生に任せて、
自分は、自分の料理作りに専念させてもらっちゃいました。

予想では、結構時間が掛るだろうなあ・・・。
と、踏んでいたのでありますが、
ちゃんと仕込みを終えてから、調理に取り掛かるなど、
段取りも、意外に上手くできていて、

ほぼ料理は、授業が終わる20分前には終了し、
綺麗に食卓も整えて、
他の学生達の授業が終わるのを待っていました。
でも、山岳プロ学科の学生達は、
少し早く戻って来たので、料理を目の前にして、
暫しのあおずけタイム。
「早く食べさせて〜!!」

身体も冷え切っているので、
自分のギョトフや、つみれ汁にも興味深々(笑)

そして、校内に居る学生達の授業が全て終わって、
いざ、試食会の開始!!

腹ペコ学生達の食欲は、さすがに旺盛で、
見事なまでに完食〜!!
みんな喜んでくれました。

そして、「いただきます」の、言葉の意味や、
もてなすことの喜びも、
同時に味わう事ができた授業でした。

因みに自分のギョトフも、好評でした。
よかった・・・。

写真は、

1枚目  捌いた鯛をお皿に盛り付ける Iくん
     なかなか手慣れた感じですよね。

2枚目  ジャーン、季節も盛り込んだ鯛のお造り完成!!

3枚目  鯛めし!!
     かますも無駄にせず、一緒に炊きました。

4枚目 いっただきまーす!! 
    食欲フルスロットルの試食会となりました!!







2012/12/04 21:37:49|活動報告
水辺環境学(日本の魚食文化を支える漁業の在り方)

師走になって、めっきり冷え込んで来ました。
皆様、どうぞ体調を崩さない様に、お気をつけ下さいね。

さて、専門学校の年内の担当授業も、
無事に先日、終了致しました。
なので、今年最後となった授業を、
科目別に報告させて戴きたいと思います。

最初は、野生生物保全学科の2年生に指導している、
「水辺環境学」の、授業から・・・。
昨年は、この学科の学生が1名のみだったこともあって、
なかなかワークショップ形式の授業が難しかったのですが、
今年度は3人となったので、
初回から、ワークショップを取り入れながらの授業です。

今回(11月29日)は、
「日本の魚食文化を支える漁業の在り方」と、題して、
私達が普段何気なく食べている魚は、
どこからやって来ているのか、
その中で、日本の漁業の現状はどうなのか・・・。
そんな事を考えてもらう為の授業でした。

海に囲まれた日本に居ながら、
何故か、食べている魚の多くが、海外から輸入されています。
それをビジュアル的に感じてもらう為に行ったワーク。
それが、「食べている水」と、云う、
プロジェクトワイルド(PW)の中のアクティビティーです。
授業用にアレンジして実施しました。

先ず用意したのが、
学校近隣にあるスーパーマーケットのチラシ。
ここから、産地が海外の魚介類を見つけて切り取ります。

切り取ったら、テーブルの上に大きな世界地図を広げて、
地図に貼り付けて行きます。

エビは、東南アジア方面から来てるね。
カニは、ロシアがほとんどだよ。
サーモン類は、北米とチリからも・・・
モータリアって何処?タコが来てるよ!!
サバなんて国内だと思っていたのに、
ヨーロッパ産が殆どじゃん!?
しかも、価格は日本の魚と変わらないか安いよ!!

 そんな気付きがたくさん出て来ました。
そうです。私達は、近くの海にいる魚さえも、
遠く海外から仕入れ、それを消費しています。
いかにも日本の魚の様な名前なのに、
全く日本には居ない魚も多いのです。
これじゃ、日本の魚が売れないのは当たり前です。
そして、後継者もなかなか育たない日本の漁業は、
どんどん衰退していく現状を目の当たりにしました。

こうしたワークで互いに学び合い、
気付きをシェアすることで、考察が深まっていきます。

日本の漁業は、今後どうあるべきなのか―。
どの様にしたら、日本の漁業が持続可能になるのか―。
海洋生物の保全と漁業は、密接に関わっています。

これから、野生生物の保全や保護の活動に関わる事を、
目指している学生達だからこそ、
伝えたいメッセージでした。

今度、周るお寿司屋さんとか、スーパーに行った時、
チョッと、その魚のこと、別の視点で、
考えてもらえると嬉しいですね。

写真は、3枚ともワーク中のものです。

注:当方はプロジェクトワイルド(PW)の、
 上級指導者であるファシリテーターの有資格者です。